商標登録の話題として、以前に存在していた「阪神優勝」の商標権についてよく質問を受けます。
登録商標として「阪神優勝」との商標が登録されている場合には、阪神優勝という文字は使うことができないのか、使うとすればお金を払う必要があるのか、という問題があります。
商標権を侵害することになるかどうかは、
1)商標権の権利範囲内の使用であること
2)法律に規定された商標の使用に該当すること
・・・等に基づいて検討されます。
仮に「阪神優勝」との言葉が商標登録されている場合であっても、その商標権の範囲は商標を登録するときに指定した商品や役務(サービス)の範囲内で発生することになります。
例えば「阪神優勝」という商標についてお酒を指定商品とする商標権が存在する場合、「阪神優勝」という商標をお酒に使用することが制限されるのであって、お酒とは全く関係ない商品について使用する場合は商標権の効力は及びません。
このため、たとえばお酒とは全く異なる自転車とかタオルとかを販売するときには上記の商標権の制限を受けないことになります。
「阪神優勝」との言葉が商標登録されたというと、その言葉自体の使用権が独占されたと勘違いされる場合があるのですが、実際はそうではありません。権利を取得する際に指定している商品等の範囲で商標権が発生しているので、まずは権利範囲となる指定商品等の範囲を確認する必要があります。
また、たとえば手紙やメールで「阪神優勝したよ。」とか「今年、阪神優勝するかも知れへんで。」とかの文章を友人間でやり取りするのは商標権の侵害とはいえません。友人間における手紙やメールの文章中で文言を使用しても、それは法律に定める商標の使用とはいえないからです。
これらの場合の様に、商標権の侵害にならないように商標を使用した場合にはお金を支払う必要はないのです。
・・・しかし、私は「阪神優勝」との商標が登録されたと聞いたときは正直とまどいました。
おそらく審査官は阪神が優勝することなんてないから、阪神優勝との商標を登録しても実害はないだろう、と考えたと思うからです。阪神ファンの私としては複雑な気持ちになります。
ちなみに以前に問題となった阪神優勝の商標権は現在では消えてなくなっています。
ファーイースト国際特許事務所
弁理士 平野 泰弘
電話03-5835-2773





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