特許庁に商標登録出願をする前にはまず出願する商標が登録されるかどうかを調べるのが通常です。
どんずばり同じ商標が先に登録されている場合には分かりやすいですね。
この場合には商標登録出願を行っても商標登録されないのは明らかですから。
問題は似たような商標が登録されている場合です。
この場合、両者は商標登録が認められないくらいに似ていると言えるのか、そうではないのか。
この判断は難しいです。
私たちは月間数十件以上、年間数百件以上のペースで商標登録出願を扱っていますし、審査、審判、判例なども見ていますので、概ねどの程度ならセーフになるのか、それともアウトになるのかについてアドバイスすることができます。
しかしながら実際の商標登録出願で扱うケースは教科書的な簡単な事例とは限りません。
判断が難しいものもあります。
この様な案件についてはどの程度のリスクがあるのかをできるだけ正確にお伝えして、共に悩みながらどの様に進めるかを様々なケースを想定しながら相談させて頂いています。
先日、知財高裁でコカ・コーラの瓶についての立体商標の商標登録を認める方向の判決がなされました。
この審理の過程では、
1)特許庁の審査段階:拒絶査定になりました。
2)特許庁の審判段階(東京地裁の第一審に相当):拒絶審決になりました。
3)東京高裁(知財高裁):拒絶審決をひっくり返す判決が出ました。
もし、コカ・コーラが審査段階で諦めていたら、コカ・コーラの瓶の商標登録出願は拒絶査定が確定していました。
この例でも分かって頂けると思うのですが、商標登録されるかどうかは判断が非常に難しいものです。
出せば通る、というものではありません。
この点が商標登録の難しいところです。
ファーイースト国際特許事務所
弁理士 平野 泰弘
電話03-5835-2773





平野先生
コカ・コーラの瓶、とっくに商標登録されているのもだと思っていました。
確か、女体を象ったのですよね。
ところで1)と2)、なぜ拒絶になっちゃったんですか?
コメントありがとうございました。
コカ・コーラの瓶はとても素敵な形状であると思います。年代にもよりますが、あの瓶を知らない方は少ないと思います。
ところで立体商標の場合、一度権利を認めると商標権は何度でも更新申請が可能のため、商標権がほぼ永久に存在することになってしまいます。
みんなが使うありふれた形状のものに商標権が付与されてしまいますと他のみんながその形状を使用することができなくなってしまいます。
しかも商標権はその瓶の形状そのものではなく、その瓶の形状に類似した形状にも権利の効力が及びますので不必要な社会的混乱を生じさせる弊害を特許庁は重視していたと思います。
そこで特許庁は法律をかなり厳しく適用して、容器そのものの形状の域を出ないものには商標登録を認めない方針を貫いていました(商標法3条1項3号)。
けれどもコカ・コーラ側からすれば、コカ・コーラの瓶くらい有名になれば保護してもらってもよいでしょう、と考えた訳です(商標法3条2項)。
このため法の解釈を巡り、特許庁の実務方針とコカ・コーラ側の知的財産の保護方針とが正面からぶつかった訳です。
結論が最初からあるのではなくて、一方の結論を信じて闘う、というのが現実に即していると思います。
平野先生
大変わかりやすく教えてくださりあいがとうございます。
「コカコーラの立体商標でフジテレビからインタビュー 」
も見ました。先生スゴイ!
でも、さらに具体的に書いていただいて、理解できました。
なるほどね?と感心です。
コカ・コーラが愛おしくなっちゃいます☆
コメントありがとうございました♪
・・・せっかくのTVインタビューだったのに、さあどうぞ、とインタビューが始まるとカチカチに固まって自分でも何を喋っているのか全然分かりませんでした・・・(滝汗
やっぱり場慣れが必要です。
コーラの件は最近はコーラの瓶を見かけなくなりましたがまた復活するのかな?、とか思っています。