商標の選び方

| コメント(0) | トラックバック(0)

あなたはご自身の業務に使用する商標をどの様な基準で選んでいますか?
私のところに相談にくる方の中には商標として品質表示や一般名称を選択される方がいます。

商標として単なる品質表示や一般名称を選択するのは作戦としてまずいです。

例えば、飲料水の商品に対して商標「アルカリ天然イオン水」、
缶コーヒーに対して「朝専用の缶コーヒー」、
携帯音楽再生機器に対して「携帯音楽再生機器」、
等の商標について権利を取りたい、と相談される方がいます。

(上記の例は説明のためのものですので、実際の質問内容は異なります。)

例えば本屋さんが一番欲しい商標は「本屋さん」であると思います。

仮に本屋さんの業務に対して「本屋さん」との商標権を取ることができれば、
事実上「本屋さん」の表記を独占することができるからです。

ところが本屋さんの業務に文字だけからなる「本屋さん」との商標を特許庁に出願しても、
特許庁では商標登録を認めてくれません。

あなた一人に本屋さんとの商標を独占させたなら、他の本屋さんが困るからです。

本屋さんの業務に「本屋さん」との名前で商売を始めるのは非常にまずいです。
この様な名前で商売を始めたなら、おそらく後で店が潰れることになります。

なぜなら、本屋さんの業務に「本屋さん」の商標は登録されませんので、他の人が「本屋さん」の商標を使用するのを止めさせることができないからです。他人にまねされ放題になるからです。

それだけではありません。
仮に「本屋さん」との名前で本屋さんを始めたとします。この場合、
消費者は口コミであなたのお店の評判を伝えることができません。

「あなたその本、どこで買ったの?」
「本を買いたいんだけど、お薦めのお店あります?」

とかの質問に対して、

「本屋さんで買った」とか、
「私のお薦めのお店は本屋さん」とか言っても意味が不明だからです。

あなたが選ぶべき商標は、その商標を見れば、あなただた一人に特定できるものである必要があります。

本屋さんの業務に「本屋さん」とのお店の名前を付けるのは、
自分の子供に「男の子」という名前を付けるくらいに罪が重いです。

自分の子供に「男の子」という名前を付けてはいけないことは、
自分の子供が迷子になったときに分かります。

周囲の人に尋ねてみてください。
「うちの男の子、知りませんか?」、と。

周囲の人のリアクションで、自分の子供に男の子という名前を付けてはいけなかったことに気がつくはずです。

「本屋さん」との名前を選択して業務を始めて、宣伝広告を行うとします。
この場合、最初にお客さまがこちらにくるように仕掛けをしておかないと、
お客さまが他の本屋さんに行ってしまいます。

「本屋さん」との名前を選択して業務を始めて宣伝広告を行うのは、
わざわざ他の本屋さんのためにお金を出してあげているようなものです。

お客さまが間違って他の本屋さんに行かないように、
本屋さんにタイトルを付けてあげる必要があります。

自分の子供に「男の子」とか「ぼく」とかの名前を付けるのではなく、
「イチロー」とか「ヒデキ」とかの名前を付けてあげる必要があります。
ただ一人に絞り込める名前ならなお良いです。

商品やサービスにたった一つの商標を与えておけば、その商標を目印にして
お客さまが間違うことなくこちらの商品にたどり着くことができます。

アップルコンピュータは携帯音楽再生機器を「携帯音楽再生機器」という商標で販売したりはしません。
アサヒ飲料は朝専用の缶コーヒーを「朝専用の缶コーヒー」という商標で販売したりはしません。

アップルコンピュータの場合は最初に商標を聞いただけでは携帯音楽再生機器を連想させることのない「iPod」という商標を付けています。

またアサヒ飲料の場合も商標を最初に聞いただけではコーヒーを連想させることのない「ワンダ」という商標を付けています。

アップルコンピュータもアサヒ飲料も、お客さまが間違うことなく自社の商品にたどり着くことができるように、わざわざ商品の性質とは関係のない商標を選択しているのです。

あなたが商標を選ぶときも同じです。

お客さまが間違うことなく一直線にあなたの下にくることができる商標を選ぶ必要があります。
一般名称やみんなが多く使用する商標を選択していたのでは商標権も得られないばかりか、お客さまがあなたのところに来る前に他の業者に吸い取られてしまいます。

あなたが選ぶ商標は、闇夜の中に輝く灯台の様な目印となりうるものです。
どうしてお客さまが寄り道してしまうような一般的な名称を選ぼうとするのですか?
それ、間違っていますよ。

お客さまが寄り道することなく一直線にこちらにくることができる商標を一緒に育てていきましょう。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
電話03-5835-2773


トラックバック(0)

トラックバックURL: http://riskzero.fareastpatent.com/mt/mt-tb.cgi/239

コメントする

弁理士 平野 泰弘

平野泰弘弁理士

  • 日本弁理士会所属
    特定侵害訴訟代理業務付記弁理士
  • 大阪大学大学院理学研究科
    博士前期課程修了
  • 旧財閥系総合メーカー東京本社知的財産部社内弁理士を経て当事務所開設
  • 三井住友銀行グループSMBCコンサルティング ビジネストレンド多数執筆

執筆紹介

このホームページに関するお問合せは

HTMLクイックリファレンス
ホームページ:
http://riskzero.fareastpatent.com/
Eメール:
info100@chizaipatent.com
住所:〒101-0032
東京都千代田区岩本町2-12-2
第2早川ビル9階
TEL:03-5835-2773

お問い合せ

掲載情報

【経済界に掲載されました】

平野泰弘弁理士のロングインタビュー掲載
(*表紙は別の方)

雑誌経済界の表紙

商標登録内容

  • 特許庁に対する商標登録
  • 特許庁指令対応
  • 商標権の更新手続
  • 商標権侵害対応
  • 商標権のライセンス
  • 商標権の売買移転
  • 外国への商標登録出願

サービス範囲

日本全国対応可能
電話・ネット・FAXで手続完結

【特許庁からのお知らせ】

4月20日から特許庁への入館方法が変わります。
一般は正面入口のみとなり、手荷物検査・身分証明書等呈示に加え、受付で「一時通行証」の貸与を受けてから入館することが必要になります。

秋葉原特許バトル(特許の世界の歩き方)

【1万人特許メルマガ】

まぐまぐビジネス特許部門日本一のメルマガ

マスコミの方へ

【MiTに掲載されました】

三井住友銀行グループSMBCコンサルティング発行の雑誌MiTに平野泰弘弁理士の記事が掲載されました。

雑誌MiTの表紙

【Right Now!に掲載されました】

知的財産関連雑誌Right Now!に平野泰弘弁理士の記事が掲載されました。

雑誌Right Now!の表紙

マスコミの方からの取材も募集しています。

取材、 執筆のご依頼、 ご相談はお気軽にお問い合わせください。