商標登録の変更手続が、明快に分かる!

初めに

特許庁に対する商標登録出願手続の場合、後から変更できる事項と変更できない事項があります。
商標の出願書類の審査合格前と、審査合格後とでは手続が異なる点にも注意しましょう。

目次

申請した商標を間違えた場合は?
申請した後に商品範囲等を変更する必要があったら?
権利者名を間違って記入した場合は?
住所を間違って記入した場合は?
商標登録の住所変更は?
結婚して名前が変わったら?
権利者の変更は?
個人から会社への名義変更は?
一人の権利を二人以上で持つ場合の変更は?
二人以上の権利を一人に集約する場合は?
権利が不要になったら?
出願した商標を売却する場合の変更は?
商標権を売却する場合の変更は?

申請した商標を間違えた場合は?

特許庁では一度提出した願書に記載されている商標の変更を一切認めていません。特許庁に商標登録出願を行った場合は、学校で試験を受けた場合と同じで、後で答案内容を書き換える行為は受け付けてもらえないです。

審査中でも審査合格後であっても、商標を変更する必要があった場合には、また改めて別の出願申請手続を新たに特許庁に行います。

申請した後に商品範囲等を変更する必要があったら?

願書に記載する指定商品や指定役務の記載は、商標権の権利範囲の内容を示すものです。指定商品や指定役務は区分ごとに分類されています。

この内容は削除して狭くすることは可能ですが、最初に提出した願書に記載されていなかった内容は追記することができません。

後から削除はできますから、気になる商品や役務は最初に記載しておきます。

権利者名を間違って記入した場合は?

権利者名の場合は、明かな誤記は補正により直すことができますが、誤記とは言えない場合には変更することができません。特許庁における補正が認められない場合には、名義変更手続により権利者の名前を変更することができます。

例えば、「東京太郎」を間違って「東京たろう」と記載した場合には補正が可能です。

これに対して「東京太郎」を間違って「大阪花子」と記載した場合には補正が認められない場合があります。両者は明かに別人であり、願書の記載だけからは誤記とは判断できないからです。

本人としては誤記であったとしても、その誤記が他人から見て誤記であると明確に分かるものでないと、補正できない場合があると理解ください。

名義変更手続は特許庁に対して追加費用が発生しますので注意しましょう。

住所を間違って記入した場合は?

住所を間違って記載した場合も、それが誤記であると分かる場合には補正することが可能です。

本人としては誤記したことが明確であっても、他人から見て誤記と認められない場合には特許庁における補正が認められないです。

誤記とは認められない場合には、別途住所変更手続をする必要があります。

商標登録の住所変更は?

商標登録出願の手続をした後に、住所が変更になる場合もあると思います。この場合は特許庁に住所変更手続を行うことにより、申請内容の住所を最新のものにすることができます。

なお既に審査に合格して商標登録手続きが終わっているものについては、対応する商標権ごとに住所の変更の手続をおこなう必要があります。

結婚して名前が変わったら?

結婚して名前が変わった場合には、その旨を特許庁に届け出る手続を行うことにより、内容を最新の状態に更新することができます。

ただし、住民票の内容が変更登録された後に特許庁に対して結婚後の名前の変更の手続を行うようにしてください。

氏名の変更手続は審査中と、審査に合格して商標権が発生した後では提出書類の様式が異なりますので注意が必要です。

権利者の変更は?

権利者の変更手続はいつでも可能です。ただし審査合格前と審査に合格して商標権が発生した後では提出書類の様式が異なります。

特に商標権が発生した後は、権利者の変更には特許庁に支払う特許印紙代が一件あたり3万円かかります。

このため初めから権利者を変更する必要が生じたなら、商標権発生前に手続を済ませておくべきです。

個人から会社への名義変更は?

個人から会社への権利者の変更も、その逆の会社から個人への権利者の変更も自由にできます。

ただし、先に説明したのと同じく、商標権が発生した後では特許庁に支払う印紙代が一件あたり3万円必要となる点は要注意です。

一人の権利を二人以上で持つ場合の変更は?

一人で出願した商標登録出願の出願人名義を複数人とすることも可能です。

ただし出願人を複数人にした場合、出願を維持するかどうかで当事者同時で意見が割れた場合には調整が困難になります。

また商標権が発生した後に権利の共有者のそれぞれが一人ではできない手続などが発生しますので、可能であれば出願人名義を複数にするのは避ける方がよいです。

二人以上の権利を一人に集約する場合は?

この手続も可能です。ただし複数人の権利の維持状態は特許庁に届け出て登録されて初めて効力を持つ点に注意してください。

当事者同士で合意しただけでは足りない、ということです。

権利が不要になったら?

出願中のものは特許庁に対して出願取下手続を行います。出願を取り下げないと拒絶査定が確定してしまい、後から商標権を取る際の障害となります。このため何もしないで放置するのは損になる場合があります。

これに対して商標権が発生した後では、次の権利更新時に更新手続を行わなければ、権利は存続期間の満了により消滅しますので、何もしないという手もあります。

出願した商標を売却する場合の変更は?

商標権が発生する前の審査段階においても出願人の変更という形で出願した商標を第三者に売却することができます。

いくらで売買するかは当事者同士で自由に決めることができます。

商標権が発生する前に権利を買い取る場合には、審査の合格を確かめてからがよいです。審査に不合格になったのでは権利が得られないからです。

ただし、商標権が発生した後では権利移転の費用が高くなってしまいますので、権利を移すタイミングを間違えないようにします。

商標権を売却する場合の変更は?

商標権は財産権の一種ですので、権利移転という形で他人に売却することができます。

商標権はいくらでなければ売却できない、という決まりはありません。商標権を売る人と買う人との合意により自由に定めることができます。

なお商標権の売買は、当事者同士の契約だけでは足りず、実際に権利移転の申請を特許庁に対して行い、移転登録を受けておく必要があります。特許庁における移転登録がない移転は無効ですのでご注意ください。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

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