自分で商標登録の手続をするには?

商標登録をしようと考えたとき、具体的にどんな手続が必要か疑問に思ったことはないでしょうか?特許庁に出願して登録が完了するまでには、いくつかの段階があります。これらの手続は、特許事務所に依頼することはもちろん、ご自身で行うことも可能です。「自分でなんてとんでもない」と尻込みせず、この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか?ここでは、そのために必要な商標についての知識や登録までの流れを説明していきます。

2017.7.25改訂

索引

(1)商標登録に自分で挑戦する前に 〜まず、知っておきたいこと

(1−1)なぜ、商標登録が必要なのでしょうか?

日々の業務に追われていると、商標登録のことを知っていても、すぐに手続を始めることは難しいかもしれません。

しかし、商標登録は事業を営む上で欠かせないものになりつつあります。

商標によって自身の商品を明確に

商標は、文字や記号などによって、自身の取り扱う商品や役務(サービス)を明確に示すマーク(識別標章)です。
その種類は幅広く、図形、色彩、音、立体的形状なども含まれます。

自身の商品や役務(サービス)を商標として登録することで、他者のものとはっきりと区別できます。

他者からの侵害を防ぐためにも

商標の制度には、「先願主義」という考え方があります。
これは先に出願した人が有利になるもので、多くの国で取り入れられています。

出願日が明確なため、無用な混乱や争いを防ぐことができますが、万が一、自分の商標が他者によって先に出願・登録されてしまうと、さまざまな障害が生じます。

具体的には、以下のような危険性があります。

  • 商標を使用する際の料金請求
  • 商標を使った商品の生産差し止め
  • 商標そのものの使用禁止

また、「これは自分のものだから」と考え、権利者に無断で使用すると、相手の商標権を侵害したとして、損害賠償を求められることもあります。

それまで必死につくり上げ、価値や信頼を高めてきた商品や役務(サービス)を他者に奪われ、このような状況に陥ることは避けたいものです。

そのためにも、事前対策として早めに商標登録をしておくことが必要です。

(1−2)商標登録を受けることができるのは?

どんな人が出願できるのでしょうか?

商標登録の出願人となれるのは、個人か法人のみです。

個人では、戸籍上の氏名に限られ、ビジネスネームやペンネーム、芸名での出願はできません。

法人では、登記された名称となり、法人格のない任意団体や、商店名やショップ名のような屋号での出願はできません。

出願しても、登録の難しい商標

商標を登録するためには、特許庁に所定の願書を提出し、審査を受けることが必要です。

けれど以下のように、たとえ出願しても登録が難しい商標が存在します。

1)商品や役務(サービス)について、自分と他者の区別ができないもの

これは、一般的名称や商品の産地や販売地、ありふれた氏名などで構成された商標を指します。

2)公益性に反するもの(公共機関の標章との類似など)

国旗や国際機関の紋章など、公共の機関の標章と類似しているものは、商標として認められません。

また、商標自体が差別的であるなど公序良俗を害するおそれのあるものや、商品や役務(サービス)の内容について、誤った印象を与えるものも登録は難しくなります。

3)他者の商標、著名な商標などと間違われやすいもの

他者の商標と類似しているものや、氏名や名称と紛らわしいものは登録できません。

紛らわしいかどうかについては、それぞれの商標と商品や役務(サービス)を比べ、「称呼(呼び方)」、「外観(外形)」、「観念(意味合い)」の要素を総合的にみた上で、判断されます。

登録の可能性を高めるために

商標登録は、出願すれば必ず特許庁の審査を通り、権利を得られるわけではありません。
登録の可能性を高めるためには、事前に十分な調査や準備を行うことが必要です。

そして、願書の作成や出願、審査など、登録に至るまでの行程で適切な対応が求められます。

では具体的にどのような作業を行えばいいのか、順番にみていきましょう。

(2)自分の商標を決定しましょう

(2−1)しっかりと商標について考えましょう

商標登録にあたり、まずは出願する商標を決める必要があります。
このとき、文字だけか、ロゴか、もしくはマークや記号、図形と組み合わせたものかなど、細部まで考えておく必要があります。
出願した商標は追加や訂正はできず、改めて出願し直すことになるため、注意が必要です。

商標の種類としては、以下のようなものがあります。

文字商標

文字商標は、文字のみでつくられた商標です。
ひらがなやカタカナ、漢字はもちろん、数字やローマ字、外国語も使用できます。

これを商標として登録できると、指定した区分では権利者だけが使うことができ、一定の文字表記を独占できます。
このとき、同じ読み方の商標は権利の範囲に含まれるため、ひらがな、カタカナ、英字などを別々に登録する必要はありません。

結合商標とは?

文字や記号、図形、立体など、商標の要素として認められた標章を組み合わせたものを結合商標といいます。
なかでも文字と図形を組み合わせたものが数多くあります。

標準文字商標とは?

標準文字とは、「特許庁長官があらかじめ定めた一定の文字書体」のことです。
文字商標のなかで、これを使っているものを標準文字商標と呼びます。
色彩が付いていたり、ポイントが異なると標準文字としては認められないなど、いくつもの決まりがあります。

これは、特許庁のHPに詳細が記載されています。

  特許庁HP 「商標法第5条第3項に規定する標準文字について」
  https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/syouhyou_5_3.htm

図形商標

図形商標は、描画された図形で構成される商標です。
これは、図形だけでつくられている商標も、異なる要素と結合されている商標も含みます。

文字を含まない図形商標の場合は、その読み方を特定することはできません。
もし、読み方を指定したい場合は、文字との結合商標とします。

立体商標

商標は文字や図形など平面的なものだけではなく、立体的なものも含みます。

立体商標は、3次元の形状からなるものや、平面の商標と組み合わせたものがあります。
ただし、この形状が一般的なものと認識される場合は、登録は難しくなります。

新しいタイプの商標

2014年の商標法の改正により、商標として保護できるものの範囲が広がりました。
新たに商標登録できるようになったものは、以下の通りです。

動き商標

テレビやパソコンの画面に映し出され、時間とともに文字や図形などが変化する商標。

色彩のみからなる商標

これまでの図形と結合したものとは別に、商品の包装や看板などに使われる色彩だけの商標。1色でも、いくつもの色を組み合わせても登録可能。

音商標

聴覚で認識され、他者のものと識別できる音楽や音、自然音などからなる商標。

ホログラム商標

ホログラフィーなどの方法で、見る角度によって文字や図形が変化したり、趣きを変える商標。

位置商標

商品のどの位置に文字や図形をつけるのかを指定することで、識別力を高める商標。

(3)適切な区分の選択が重要です

(3−1)区分とは何でしょうか?

商標登録の出願を行う際には、願書に区分を記載する必要があります。
そのため、自分の商標が特許庁の分類した45区分のどれにあたるのかを、事前に選択しておかなければなりません。

これは商標は単独ではなく、商品や役務(サービス)とともに登録されるためです。

区分は「指定商品区分」(第1類〜第34類)と、「指定役務(サービス)区分」(第35類〜第45類)からなり、実際に商標をどんな商品や役務(サービス)に使うのかを明確にするものです。

区分の詳細については、特許庁のHPに記されています。

  特許庁HP 「類似商品・役務審査基準」
  https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/ruiji_kijun10.htm

(3−2)自分の商標に必要な区分とは?

実際の例をみてみましょう

自分の商標に必要な区分を把握することは、出願の際に重要になります。
特に自分で手続を行う場合は、頭を悩ませる問題かもしれません。

では、実際にどのように登録されているのか、みてみましょう。

商標登録第5828012号 仙台発祥 伊達の牛たん 仙台 カレー

権利者である株式会社伊達の牛たん本舗は、仙台名物である牛たんの専門店です。
仙台市を中心に多数の店舗があり、東京都内にも出店しています。


特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

区分は以下のようになっています。

  • 第29類「宮城県仙台市で製造または販売される牛たんを用いたカレー、宮城県仙台市で製造または販売される牛たんを用いたレトルトカレー」
  • 第30類「宮城県仙台市で製造または販売される牛たんを用いたカレーを使用してなるべんとう」
  • 第43類「宮城県仙台市で製造または販売される牛たんを用いたカレーを主とする飲食物の提供」

販売店とともに、レストランも経営しているため、第43類の区分も登録してあることがわかります。

過不足のない区分の選択を

商標登録の際は、区分ごとに料金がかかります。
そのため、区分数が増えれば増えるだけ費用は高額になります。

けれど費用を抑えるため、区分を少なくすることには問題があります。
もし取りこぼした区分があると、それを他者に登録されてしまう危険性があるのです。

例えば、上記の「伊達の牛たん本舗」では、レストランも商品の販売も同じ権利者によって登録されていました。

けれど、もし、あなたが飲食店で成功し、第43類「飲食物の提供」の区分しか商標を登録していなかったらどうなるでしょうか?

その後、同じ商標をもつレトルト食品が販売されとき、おそらく消費者はあなたの会社の手がけた新商品だと思うでしょう。
けれど実際には、何の関係もない他者によって製造・販売されたものです。

この問題は、あなたの築き上げてきたものが他者に奪われ、無断で使用されるだけではすみません。

もしも他者の製造した商品の評判が悪かったり、問題が起こった場合には、あなたの飲食店の評価まで下がってしまう可能性もあります。

そのようなトラブルを未然に防ぐためにも、自分の業務に沿った区分を過不足なく登録することが重要です。

(4)必ず事前調査を 〜自分で商標を検索するには?

(4−1)登録済みの商標を確認しましょう

出願に先立ち、すでに登録済みの商標がないか調べることが必要です。

商標は同じものや似たものが申請された場合は、先に特許庁に申請したほうが優先されます。
もし考えていた商標がすでに登録されていた場合には、出願しても合格は不可能です。

手続にかけた時間や費用が無駄になってしまうため、必ず事前の調査を行いましょう。

どんな商標が登録されているのかは、独立行政法人工業所有権情報・研修館の運営する下記のHPで検索できます。

  特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

(4−2)では、実際に自分で調べてみましょう

キーワードからの検索

1)トップ画面から

「商標を探す」を選択し、キーワードを入力します。ここでは「ドコモ」と入れ、「検索」ボタンを押します。その後、ヒット件数が表示されるので、「一覧表示」ボタンを押します。

2)検索結果一覧

表示された一覧のなかで、詳細を知りたい商標の「出願/書換/登録番号」をクリックします。

3)選択された文献

選んだ商標の登録番号や登録日をはじめ、権利者や区分など、商標についてのさまざまな情報を知ることができます。


特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

各項目からの検索

1)トップ画面から

「Ⓡ商標」にカーソルを合わせると、項目名が表示されます。

1〜10までの項目名は以下の通りです。

  1. 商標番号照会
  2. 商標出願・登録情報
  3. 称呼検索
  4. 図形等商標登録
  5. 図形等分類表
  6. 商品・役務名検索
  7. 商品・サービス国際分類表
  8. 指定商品の書換制度について(特許庁HPへ)
  9. 日本国周知・著名商標検索
  10. 不登録標章検索

このなかから希望する項目を選択すると、それぞれの検索フォームが表示されます。
そこに調べたい商標の情報を入力すると、詳細を知ることができます。

(5)願書はどのように記入を?

願書を作成し、出願するには、書面手続とオンライン手続による2つの方法があります。

(5−1)書面手続の場合

書面でつくった場合は、電子化するための手数料がかかります。

  出願件数1件につき、
  1,200円+(700円×枚数)です。

後日、一般財団法人工業所有権電子情報化センターから振込用紙が届きます。

〈様式や注意点〉

願書の様式や注意点については、特許庁のHPに詳細が記されています。

  特許庁 「出願の手続」から(第五章「商標登録出願の手続」)
  https://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/kijun/kijun2/syutugan_tetuzuki.htm

ただすべてを網羅しているため、分量も多く、少し難しく感じるかもしれませんので、以下の項目について簡単にご説明します。

〈1〉【特許印紙】

用紙の左上に特許印紙を貼りつけます。そして、その下に金額を記します。

〈2〉【書類名】

「商標登録願」としてください。

〈3〉【整理番号】

申請者が管理するための番号です。全角のローマ字(大文字のみ)、数字、ハイフンを使い、10文字以内で考えてください。不要であればつけなくても問題ありません。

〈4〉【提出日】

郵送する場合は投函日を、特許庁に直接提出する場合は持参日を記します。

〈5〉【あて先】

「特許庁長官 殿 」としてください。

〈6〉【商標登録を受けようとする商標】

商標の見本になります。記載欄の大きさは8センチメートル平方となり、必要な場合は15センチメートル平方まで広げられます。

〈7〉【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】

  • 【第 類】
    商標の区分を記入します。
  • 【指定商品(指定役務)】 
    商標の内容の詳細について、ここに記します。

〈8〉【商標登録出願人】

  • 【識別番号】
    過去に出願経験があれば、発行された識別番号を記します。初めての出願などで記載する番号がない場合は、この欄は不要です。
  • 【住所又は居所】
    個人の場合は住民票の住所を、法人の場合は登記されたものを記載します。
  • 【氏名又は名称】
    個人では氏名、法人では会社名となります。正式名称での申請となり、ビジネスネームは使用できません。
  • 【代表者】
    法人は代表取締役となり、個人では記載の必要はありません。
  • (印鑑または識別ラベル)
    法人では代表者印、個人では名字のわかる印鑑を使います。識別ラベルで印鑑を省略する場合は、法人は代表者の横、個人は【氏名又は名称】の横に貼付します。
  • 【国籍】
    外国人の場合は記入します。

〈9〉【手数料の表示】

  • 【予納台帳番号】
    ここには予納台帳の番号を記します。
  • 【納付金額】
    納める金額を円やカンマを付けずに、数字のみで記入します。

(5−2)オンライン手続の場合

電子証明書を購入することや「インターネット出願ソフト」のインストールを完了しておくこと、申請人利用登録を済ませておくことなど、事前の準備が必須となります。

出願ソフトについては、下記の「電子出願ソフトサポートサイト」からダウンロードしてください。その上で、申請書類をつくります。

  電子出願ソフトサポートサイト 「インターネット出願ソフト」
  http://www.pcinfo.jpo.go.jp/site/3_inet/index.html

(6)出願してみましょう

願書が完成したら、いよいよ出願です。
出願の際には、願書のほかに費用が必要となります。

(6−1)出願にかかる費用とは?

商標出願料(特許庁の印紙代)として

商標を出願する際には、特許庁に商標出願料を支払います。

これは出願を行い、審査をしてもらうための費用であり、自分で手続をする場合でも必ず支払うものです。

商標出願料は以下のように算出します。
 

商標出願料(特許庁の印紙代)
  • 3,400円+区分数×8,600円

商標出願料の見積もりをする際には、自分の商標の区分数を多めに考えておいたほうが安全です。
商標をしっかりと守ろうとした場合、いくつもの区分が該当するケースが多くなっています。

区分数によって料金がどのように変わるのかは、以下の表の通りです。

区分 商標出願料(特許庁の印紙代)
1 12,000円
2 20,600円
3 29,200円
4 37,800円
5 46,400円

商標出願料の納付は、特許印紙か現金で行います。

特許印紙は郵便局か特許庁で購入できます。ただ収入印紙とは異なり、取り扱っていない郵便局もあるため、購入前には確認が必要です。
特許印紙を用意できたら、申請書類の左上に貼付します。

商標出願の手数料として

自分で手続を行わずに特許事務所に依頼した場合は、上記の商標出願料とは別に、特許事務所に対しての報酬を支払う必要があります。

(6−2)特許庁への提出を

書面手続の場合

願書を作成した後は、郵送か持参によって特許庁に提出します。

(郵送先)

〒100-8915 東京都千代田区霞が関3丁目4番3号
特許庁長官 宛

封筒の表に「商標登録願 在中」と記します。
書留で発送すると、発送日の記録や出願の事実が残るため安全です。

(持参先)

東京都千代田区霞が関3丁目4番3号(上記郵送先と同様)
特許庁審査業務部 出願課(1階)受理担当

オンライン手続の場合

出願ソフトで申請書類を作成した後、特許庁宛てに送信します。

(7)商標の審査が行われます

(7−1)審査の手順

では審査がどのように進むのか、順番にみていきましょう。

出願番号通知書の送付

特許庁での願書の受理後、商標登録出願番号が付けられ、出願番号通知書が送付されます。
これ以降の手続はこの番号で行われるため、大切に保管しておきましょう。

また初めて出願した場合は、特許庁から「識別番号通知」というはがきも送付されます。
この識別番号は、書類作成時に記すことで住所の記載を省略できます。

特許庁での審査

特許庁では、最初に提出された書類に不備がないかを調べる方式審査が行われます。

これを通過すると、商標審査官による審査が順番に行われます。
現在、出願数は年間10万件以上とされており、結果が出るまでには数カ月から半年ほどの時間を要します。

拒絶理由通知が届いた際には

このとき、審査官が何らかの問題を見つけると、出願人の元に拒絶理由通知が届きます。

ただし、ここで審査が終わってしまうわけではありません。
出願人は意見書や補正書を作成・提出して反論することができ、再度、審査官に判断を仰ぎます。
このとき問題とされた理由が解消できていれば、審査を合格できます。
けれど、それが解決されていない場合には、拒絶査定となり、審査は終了します。

登録査定書の送付

そして、審査官に登録してもよいと判断された場合は、登録査定書が送られてきます。

無事、審査に合格した出願人は、登録の手続へと移ります。

(8)いよいよ、登録の手続です

商標権を発生させるためには、登録査定を通ってから30日以内に商標登録料を納入する必要があります。

審査に合格しただけでは商標の登録は完了していないので、注意が必要です。

(8−1)登録にかかる費用とは?

商標登録料(特許庁の印紙代)として

商標登録料は、一括納付(10年分)と前期・後期に分けた分割納付(5年ごと)を選択できます。
それぞれの料金は下記のようになります。

商標登録料(特許庁の印紙代)
  • 一括納付 区分数×28,200円(10年分)
  • 分割納付 区分数×16,400円(前期・後期5年ごと)

分割納付のほうが1度に支払う料金は安くなりますが、更新をする場合は割高になります。

その商標を長く保護したい場合には一括納付に、短期間しか使用しない場合には分割納付にするなど、自身に適した支払い方法を選択できます。

また、商標登録料がいくらになるかは区分数によって異なります。
その一例を以下の表に示します。

区分 商標登録料(特許庁の印紙代)
〈一括・10年分〉
商標登録料(特許庁の印紙代)
〈分割・5年分〉
1 28,200円 16,400円
2 56,400円 32,800円
3 84,600円 49,200円
4 112,800円 65,600円
5 141,000円 82,000円

特許庁に商標の登録や登録維持のために支払うのは、この商標登録料のみとなります。
更新の時期が来るまで、特許庁への支払いはありません。

そして商標登録料を納めてからひと月ほど経つと、商標登録証が届きます。
商標権が発生した日とは、ここに明記された登録日となります。

商標登録の手数料として

手続を特許事務所に依頼した場合は、上記の商標登録料とは別に、特許事務所への報酬も支払います。

(9)更新が必要となります

(9−1)商標権の更新とは?

原則として、商標権の権利が続くのは登録日から10年となっています。

そして10年の存続期限を延長するためには、更新手続を行うことが必要です。
これを忘れてしまうと、せっかく取った権利が失効してしまいます。

また、分割納付の際は、所定の期間内に残りの商標登録料(5年分)を納付することで、10年の権利を得ることができます。
もしも、後期分の商標登録料を納付しなかった場合は、前期5年のみで商標権は消滅します。

商標権は何度でも更新することが可能なため、永続的に権利を存続させることができます。

ただし、権利の期限が近づいた頃、特許庁から更新の連絡が来ることはありません。自分自身でしっかり管理をしておくことが重要です。

(9−2)更新にかかる費用とは?

更新登録申請料(特許庁の印紙代)として

商標登録料は、一括納付(10年分)と前期・後期に分けた分割納付(5年ごと)を選択できます。
それぞれの料金は下記のようになります。

更新登録申請料(特許庁の印紙代)
  • 一括納付 区分数×38,800円(10年分)
  • 分割納付 区分数×22,600円(前期・後期5年ごと)

区分数による更新登録申請料は、以下の表の通りです。

区分 更新登録申請料(特許庁の印紙代)
〈一括・10年分〉
更新登録申請料(特許庁の印紙代)
〈分割・5年分〉
1 38,800円 22,600円
2 77,600円 45,200円
3 116,400円 67,800円
4 155,200円 90,400円
5 194,000円 113,000円

更新登録の手数料として

手続を特許事務所に依頼した場合は、上記の更新登録申請料とは別に、特許事務所への報酬を支払います。

(10)自分自身で? 特許事務所に?

商標登録の出願手続をすべて自分で行う場合も、専門家のいる特許事務所に依頼する場合も、それぞれの長所と短所があります。

それらを確認した上で、どちらを選択した方がいいのか、ご自身の状況に合った方法を選択してください。

(10−1)自分自身で手続を行う場合

この方法のよい点は、何よりも費用が安くすむということです。特許事務所に手数料を払う必要がないため、特許庁に支払う印紙代だけで申請が可能です。

ただ、初めて商標登録の手続を行う場合は、必要なことをすべてゼロから調べなければなりません。まず商標とはどういったものなのかを知り、取りこぼしや余分なものまで申請する可能性がある区分の選定には、特に注意を払わなければいけません。

その後、願書を作成し、特許庁へ提出するという一連の手続を正しく行うためには、多くの労力を必要とします。慣れないことのためどうしても時間もかかってしまうでしょう。

(10−2)特許事務所に依頼する場合

専門家である弁理士が手続に当たるため、難しいケースであったとしても対応が可能になることがよい点です。

特に上記でもふれた区分を的確に判断することや、特許庁の審査を通らなかったときに意見書・補正書を提出して拒絶された理由を解消するよう努める際には、これまでの経験が生かされます。

ただ、特許事務所に依頼した場合には、どうしても数万円単位の費用がかかってしまいます。商標登録までのいくつかの段階(出願時、審査対応時、登録時など)で、手数料が必要とされます。

現在は数多くの特許事務所があり、それぞれの料金設定があります。それらを調べた上で、検討してみてください。

(11)まとめ

商標を登録するまでには、それぞれの行程で手続が必要になります。
自分で商標登録をすることは大変な面もありますが、商標についての理解を深めることもできます。

ただ、難しい状況の場合は、専門家の力を借りることも必要です。
ご自身に合った手続方法で商標を登録し、権利を守っていってください。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

よく読まれている記事

議論に参加する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です