外国で商標の登録手続きを行う際には注意しなければならない点があります。
一つ目は商標権を取得する国の数に比例して費用がかかる点です。
ですので、実際にどの国で商標登録をするのかは事前によく検討する必要があります。
せっかく外国で商標登録をしたとしても、その国で登録商標を使用してビジネスをしていない場合にはせっかくの商標権も絵に描いた餅状態になります。三年間その国で商標を使用していない場合には取消の対象となる場合もあり注意が必要です。
二つ目は、外国用の商標を考える必要がある点です。
日本向けには日本語を含む商標が適していますが、日本語を含む商標は、外国人がその商標が何であるかを理解できない場合があります。
またアルファベット表記でいくのか、あるいはその国の言語の表記でいくのか、実際に出願する前に検討しておく必要があります。
三つ目は、権利範囲の内容を事前によく吟味しておく必要がある点です。
外国における審査で外国特許庁から登録を認めない、という通知があった場合には、日本から直接外国の特許庁に反論できない場合がほとんどであり、現地の弁理士を雇って手続きを行う必要があります。
権利範囲の中に外国で使用もしないアイテムが含まれていて、そのアイテムが外国で他人の権利に抵触するような場合は、本来なら必要ではないアイテムの削除に多くの費用が発生することになります。
このため外国で実際に商標登録をする際には、本当に外国で実施しているか、具体的に実施するアイテムについて権利申請をすることが、追加の費用を発生させないコツでもあります。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247