二名以上で商標登録をする場合

商標登録により得られる商標権は財産権としての性質を持っていて、単独で所有することもできますし、複数で所有することもできます。個人で商標登録をすれば個人が商標権者になることができますし、会社で商標登録をすれば会社が商標権者になることもできます。ただし、二名以上で商標登録した場合には後でトラブルになる事例もあります。二名以上で商標登録する際の注意点について分かりやすく解説します。

二名以上で商標登録は可能ですか?

商標登録により得られる商標権は財産権としての性質を持っていて、単独で所有することもできますし、複数で所有することもできます。

個人で商標登録をすれば個人が商標権者になることができますし、会社で商標登録をすれば会社が商標権者になることもできます。

また商標登録の出願を二名以上でした場合には二名以上の全員が商標権者になります。

最初に単独で出願しておき、後から二名以上の商標登録にすることができますか?

二名以上が商標権者になる場合は最初から二名以上で出願していなくても、出願時は一人の申請にしておき、後日二名以上の共同名義にすることもできます。

二名以上にする手続は、出願中であってもよいし、商標権が得られた後でもよいです。
ただし、二名以上の共同保有にする場合には、審査に合格して登録料を払う前に行うことがよいです。商標権が発生した後に、単独権利から複数権利へ変更する際の手数料が少なくてすむからです。

最初に二名以上で出願した場合に、後から一名の商標登録にすることができますか?

もちろん可能です。二名以上の複数人で出願したが、出願人や商標権者を一人にすることもできます。なお、商標権が発生する前は、権利申請者のことを出願人といい、商標権が発生した後は権利者といいます。

この場合も、もし変更するなら審査に合格して登録料を払う前に行うことがよいです。支払う費用が少なくて済むからです。

後から二名以上の商標登録にする手続に必要なものは何ですか?

特許庁に願書を提出した後に手続をする場合、譲渡証が必要になります。なお譲渡証は特許庁に提出できる内容が定められていて、その方式に従う必要があります。
さらに特許事務所に手続を依頼するためには委任状も必要になります。

譲渡証や委任状以外にも、権利を移転する内容によっては準備しなければならない書面がありますので、詳細は専門家に相談ください。

なお、当事者同士で譲渡契約を結んだとしても、それを特許庁に届けなければ効力が発生しませんので注意が必要です。

二名以上で商標登録をした場合の問題点はありますか?

二名以上で商標登録をして、商標権を共有した場合、問題も生じます。

最初は仲が良くて事業を始めた場合であっても、後で仲が悪くなり、共同権利者の中の一人が手続きに全く協力しようとしなくなった場合に、商標権のライセンスや売却をすることができなくなる等の不都合が生じる場合があります。

商標権は財産権としての性質を持つことから不動産の権利と同様に考えることができます。

例えば、二人の共同名義で戸建て住宅を購入した、とします。

最初は二人で仲良く暮らしていたのに、一方の者が勝手に第三者に住宅を貸したために住宅に見知らぬ者が出入りするようになったならば共同権利者は困ります。商標権を共同名義にするとお互いの意思疎通のちょっとしたすれ違いからトラブルに発展する場合もあります。

共同名義にしたことによる不都合を避けるために、商標権は代表者の単独名義にしておき、商標権の取り扱いは別途覚え書きや契約書で定めることもできます。こちらの方が、後から当事者同士の問題が発生しにくいです。

そもそも商標権の取り扱いについて何も定めずに共同で商標登録をするところに問題があるわけで、商標権の取り扱いについて最初からしっかり協議しておけば、後でもめることが少なくなります。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

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