東京五輪の商標は使用することができるのか

商標権に関係なければ五輪のマークを自由に使うことができるか、というとそうではありません。非常に有名なマークにただ乗りして商業的に使用する場合には、商標法の制限は受けなくても「不正競争防止法」により制限を受ける場合があるからです。

昨日に引き続きオリンピックの商標登録について解説します。

オリンピックの文字についての商標が登録されていることは昨日説明した通りです。

では五輪マーク(輪が交互に五つ重なったマーク)は商標登録されているのでしょうか。
やはり五輪マークについても商標登録されています(商標登録第286186号、第3235642号)。

ここで注意点があります。

商標権の効力は商標登録の際に指定した商品・サービスに類似する範囲に及びます。

このため、五輪マークについて商標登録されていても登録されている商品やサービスと全く関係ないものに五輪マークを使用しても商標権の効力は及ばないことになります。

商標権に関係なければ五輪のマークを自由に使うことができるか、というとそうではありません。

非常に有名なマークにただ乗りして商業的に使用する場合には、商標法の制限は受けなくても「不正競争防止法」により制限を受ける場合があるからです。

「商標登録されていない商品だから五輪マークを使っても安心」などの不十分な情報に乗せられて正式に認証されていない商品を扱った場合には、不正競争防止法違反により差止請求を受けたり損害賠償請求を受けたりすることも考えられます。

特に注意が必要なのは、「この商品は正式に許可を得たものだから」、という口約束を信じて五輪マークが表示された商品を仕入れた場合です。

その口約束が事実とは異なり仕入れた商品が正規品ではないこともあります。この場合には五輪マークが付いたニセの商品を販売すると正当な権利者から訴えられてしまうこともあります。

「五輪マークの付いた商品を売ってはいけないとは知りませんでした。」と口で言ってもそれだけでは許されない場合があるのです。

また五輪のマークに「東京」の文字を付加した場合には自由に使えるか、というとそうではありません。東京の文字を付加したとしても、有名な五輪のマークを使用していることに変わりはないからです。

後でトラブルに巻き込まれないよう、有名なマークを使用する際には十分注意しておく必要があります。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

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