商標の類似群コードについて区分、調べ方までを徹底解説!

商標の類似群コードとは、第1類から第45類の区分に入る全ての商品と役務に対し、特許庁で個別に割り振られている識別コードのことです。類似群コードは二桁の数+アルファベット一文字+二桁の数の合計五文字で形つくられるコードであり、特許庁では類似群コードが同じ商品役務は相互に類似扱いになります。

索引

(1)商標の類似群コードとは?

登録商標の類否判断で使用

商標の類似群コードとは、個々の商品役務に対して特許庁で個別に割り振られている識別コードをいいます。

新たに出願した商標が審査に合格するかどうかの一つの決め手は、先に登録されている商標と類似かどうかが判断要素です。

類否判断では商標同士が似ていることに加えて、商標の使用対象となる商品役務が相互に似ているかも判断材料になります。

商標同士が似ていた場合でも、商品役務が違うと商標登録されることもあります。審査において商品役務が異なるかどうかの判断基準に、この類似群コードが活躍します。

商品役務について、類似群コードが同じなら特許庁で相互に似ているとされ、類似群コードが不一致のときは似ていないものとされます。

なお例外として備考類似がありますが、備考類似については後述します。

商品

商標法にいう商品とは、菓子(類似群コード30A01)やみかん(類似群コード32E01)等のように消費者に渡して対価をもらうものをいいます。

商標法上の商品は区分の第1類から第34類に規定されています。第1類の最初の商品となる化学品の類似群コード「01A01」から始まり、第34類の最後の商品であるマッチの類似群コード「27C01」まで続きます。

なお商品の類似群コードは27C01で終わりではなく34E11まであります。

役務

商標法にいう役務とは、建設工事(類似群コード37A01)や散髪(類似群コード42C01)等のように消費者のために業務を行い対価をもらうものをいいます。

商品の取引の場合はものを渡すのに対し、役務の取引の場合は労働力を提供する点が違います。

商標法上の役務は区分の第35類から第45類に規定されています。第35類の最初の役務となる広告業の類似群コード「35A01」より始まって、第45類の最後の役務である装身具の貸与の類似群コード「42X30」まで続きます。

また役務の類似群コードは42X30で終わりではなく42X31まであります。

区分のされ方

まず商品役務が入る大分類の区分が第1類から第45類まであり、個々の大分類の中に商品役務が類似群コードに従って分類されます。

類似群コードの詳細は特許庁による類似商品・役務審査基準に示されています。大型書店やアマゾンで入手可能ですが電話帳ほどの厚みです。

また類似商品・役務審査基準にはほぼ毎年変更がありますので、もし類似商品・役務審査基準を見る場合には実際に手続をする時に適用される法律内容が記載されたものを見ます。

(*要注意:古本で安く販売されているものは内容が古くなっていて現在では使えないものが多いです。類似商品・役務審査基準を入手する場合には適用年月日を確認してから購入します。)

分類例

類似群コードの代表的な分類例として、具体的に次のものがあります。

  • 化粧品(類似群コード:04C01)
  • スマートフォン用アプリ(類似群コード:11C01)
  • キーホルダー(類似群コード:13C020)
  • 洋服(類似群コード:17A01)
  • レンタカー(類似群コード:39L02)
  • 飲食物の提供(類似群コード:42B01)
  • 美容(類似群コード:42C01)

数え方が異なる

区分によって異なる

商品役務の大分類である第1類から第45類の区分に属する商品役務の類似群コードは、区分に従って変わります。

類似群コードは大分類である区分の番号と関連がなくなっています。このため、第1類の区分に属する商品の類似群コードの最初の二桁が01だけかというとそうではありません。

国際的な分類であるニース協定の内容に合わせるため、ほぼ毎年商品役務について国際協調のための法律の改正があります。法律改正のたびに商品役務が区分の中で移動した結果、今では類似群コードの並び方に規則性はないと見た方が安全です。

各区分の事例

各区分に対応する代表的な類似群コードの分類例として、具体的に次のものがあります。

  • 第 1類の類似群コード:01A01(化学品)、02A01(肥料)等
  • 第 5類の類似群コード:11A06(家庭用食器洗浄機)、32F15(サプリメント)等
  • 第 7類の類似群コード:01B01(薬剤)、09H01(3Dプリンター)等
  • 第16類の類似群コード:25B01(文房具類)、26A01(印刷物)等
  • 第18類の類似群コード:21C01(かばん類、袋物)、22B01(傘)等
  • 第28類の類似群コード:24A01(おもちゃ、人形)、24D01(釣具)等
  • 第32類の類似群コード:28A02(ビール)、29C01(野菜ジュース等)等
  • 第36類の類似群コード:36C01(生命保険の引受等)、36D01(建物の売買等)等
  • 第39類の類似群コード:42A02(企画旅行の実施等)等
  • 第41類の類似群コード:41A03(セミナーの開催等)、41F06(イベントの開催等)等
  • 第42類の類似群コード:42P01(デザインの考案)、42P02(ウェブサイトの作成等)等
  • 第44類の類似群コード:42V01(マッサージ等)、42V02(医療情報の提供等)等

(2)類似群コードの調べ方

類似群コードは特許情報プラットフォームで分かる

審査官が商標の審査の際に類似群コードを使うのであらかじめ類似群コードを把握すれば商標同士の類否判断を審査官と同様に進められます。

特許情報プラットフォームの称呼検索で称呼と類似群コードを組合せて使えば、より精度の高い検索が可能になります。

特許情報プラットフォーム

商品や役務ごとの類似群コードは、特許情報プラットフォームの「商品・役務名検索」を使って検索可能です。

図1 特許情報プラットフォームの商品役務名検索画面

例えば商品・役務名の欄に「みかん」と入れて検索します。56件がヒットします。

図2 みかんで検索した後の商品役務名検索画面

検索結果の一覧表示を開くと類似群コードが参照可能になります。

図3 みかんの検索結果より類似群コードを見る

商品役務名の検索結果より、商品名「みかん」は第31類に属することが分かります。
みかんそのものの類似群コードは32E01であることが分かります。これ以外にもみかんを原料する各種飲食料品は、異なる類似群コードが付けられています。

(3)商標の区分、類似群コード一覧

商標の区分、類似群コード一覧

商標区分、類似群コードはニース協定の国際分類に準ずるものです。
国際協力の関係から日本の商品役務の分類も国際基準に従うようにしています。日本の分類と、世界各国の分類は概ね同じですが、各国で完全に一致しているわけではありません。

このため日本で認められる商品役務の表示が、別の外国で認められない場合があります。

類似群コード表

類似群コード表は次の通りです。

(4)中国商標の類似群コード

中国の類似群コード

大まかな分類は日本と同じですが、審査で採用された中国の類似群コードは日本の類似群コードと違います。
中国の類似群コードは数字の四桁です。

中国の類似群コードの例

  • 口紅:類似群コード(030018)
  • コンピュータ:類似群コード(090372)
  • 印刷出版物:類似群コード(160179)
  • パン:類似群コード(300093)
  • 資金の貸付:類似群コード(360024)
  • 作曲:類似群コード(410097)
  • 医業:類似群コード(440021)

日本との違い

中国の類似群コードと日本の類似群コードは同じではありません。同一物はないです。日本の類似群コードが分かっても、日本の類似群コードの情報から中国の類似群コードを直接決定することはできません。日本の類似群コードに対応する中国の類似群コードを探し出す作業が発生します。

また日本では比較的包括表記のように大まかな商品や役務の指定が認められていますが、中国の商品や役務の指定は日本に較べてかなり具体的です。

このため日本では許される商品役務であっても、それに対応する商品役務が中国にない場合があります。

この場合は、より具体的な商品役務を選んで、中国で対応する類似群コードを選択します。

(5)まとめ

類似群コードが異なれば違う商品役務というのが特許庁の扱いです。

ただし例外的に相違する類似群コードでも互いに似た商品役務とされることもあります。この商品役務の例外的な類似関係は備考類似と呼ばれます。

どの商品役務がどの類似群コードに属するか、また備考類似の関係がどのようになっているかはかなり専門的になりますので、分かりにくいところは専門家に質問すればよいでしょう。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

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