商標登録もされている「ブラインドサッカー」をご存知ですか?

「ブラインドサッカー」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?これは視覚障がい者によるサッカーで、「5人制サッカー」としてパラリンピックの正式競技になっています。2020年の東京大会では、開催国として日本代表の初出場も決まっています。実は、この「ブラインドサッカー」も商標として登録されています。ここでは商標とともに、「ブラインドサッカー」の歴史やルールについてもご紹介していきます。

(1)「ブラインドサッカー」のこれまで

「ブラインドサッカー」が開発され、ルールが統合されたのは、1980年代はじめのことです。そして1990年に初めての大会がヨーロッパで行われ、1998年には第1回世界選手権がブラジルで実施されました。

ヨーロッパや南米を中心に広まっていた「ブラインドサッカー」は、その後、2001年に日本に伝わります。
そしてあっという間に全国に広がっていき、2003年には初めての全国大会が開催されました。

パラリンピックでは、2004 年のアテネ大会で初めて正式競技となり、ブラジルが4大会連続金メダルという快挙を遂げています。

また、1998年に第1回が行われた世界選手権は、その後は2年ごとに開かれていましたが、パラリンピックで正式競技となった後は、4年ごとに実施されています。
日本代表は、2014年の第6回大会で過去最高の6位という成績を収めています。

今後行われる2018年の世界選手権、2020年のパラリンピックに向け、ますますの活躍を期待したいですね。

(2)「ブラインドサッカー」のルールとは?

(2−1)特別なルールと特徴

「ブラインドサッカー」のルールはフットサルを元に考えられていますが、「ブラインドサッカー」ならではの特別なルールや特徴もあります。
ここでは、それらを簡単に説明していきましょう。

どのような環境でプレーするのでしょうか?

フットサルと同じ大きさのコート(40メートル×20メートル)で行われ、転がると音の出る特別なボールを使用します。
このボールは回転するたびにシャカシャカと音がするため、選手たちはそれを頼りに位置や転がり方を把握することができます。

また、コートのサイドラインには、高さ1メートルほどのフェンスがあり、ボールがサイドから外に出ることはありません。これは選手がコートの向きや大きさを把握する助けとなり、フェンスを使ったパスなどにも活用されています。

試合時間はどのくらいでしょうか?

試合は、40分(20分ハーフ)で行われます。
この時間は、コートからボールが出た場合などは時計を止めるプレイングタイムで計測されます。

何人でプレーするのでしょうか?

選手は、全盲のフィールドプレーヤー4人と晴眼のゴールキーパーの計5人です。
フィールドプレーヤーはアイマスクとヘッドギアをつけてコートを駆け、ゴールキーパーは大きな声で守備の指示を出します。

さらに「ブラインドサッカー」では、協力者の存在が欠かせません。

対戦相手のゴール裏に立つ「ガイド(コーラー)」は、攻撃の際にゴールまでの距離や位置をはじめ、シュートのタイミングなどを伝えます。

また、チームを率いる監督は、サイドフェンスの外に立ち、中盤で展開されているプレーへの指示を出します。

選手同士はもちろん、選手と協力者のコミュニケーションがうまくとれるかどうかも、勝敗のポイントとなります。

豆知識

安全にプレーするためのかけ声

「ブラインドサッカー」では、ボールをもった相手に近づくときは、「ボイ!」と声に出す必要があります。もし何もいわないと、ファールを取られてしまいます。
これはスペイン語で「行く」という意味で、選手がそばにいることを知らせ、危険な衝突を避けるためのものです。

(3)「ブラインドサッカー」を観戦するときは…

「ブラインドサッカー」では、ボールの転がる音や指示の声がフィールドプレイヤーにとって、なにより大切なものとなります。

そのため、観客は静かに観戦することが求められます。
試合会場に足を運ぶときには、この点に注意することが必要です。

観客席から、コート上の音や声に耳をすましていると、選手たちがどのようなコミュニケーションをとっているか、肌で感じ取れるかもしれません。

もちろんゴールが決まったときには、歓声を上げることができます。
選手は観客の声で自身のシュートが決まったことを知るのです。

選手と協力者はもちろん、観客も一体となってつくりあげるのが、「ブラインドサッカー」の試合なのかもしれませんね。

(4)「ブラインドサッカー」に関する商標登録

「ブラインドサッカー」は、英語で表記すると「5 a side football」となります。

パラリンピックの競技名も「5人制サッカー」となっていますが、日本ブラインドサッカー協会(JBFA)は、「ブラインドサッカー」という呼び方のブランド化を目指し、以下の商標を登録しています。

(4-1)「ブラインドサッカー」の商標登録

BLIND SOCCER/ブラインドサッカー(商標登録 第5086068号)

  • 権利者:日本ブラインドサッカー協会
  • 出願日:2006年11月6日
  • 登録日:2007年10月26日

区分は以下の通りです。

  • 第41類「技芸・スポーツまたは知識の教授、セミナーの企画・運営または開催、スポーツの興行の企画・運営または開催、電子出版物の提供、書籍の制作」など

Blind Soccer(商標登録 第5893826号)

  • 権利者:日本ブラインドサッカー協会
  • 出願日:2016年4月28日
  • 登録日:2016年11月4日

区分は以下の通りです。

  • 第16類「衛生手ふき、印刷物、パンフレット、カレンダー、写真」など

(4−2)愛称「ブラサカ」の商標登録

ブラサカ(商標登録 第5900887号)

  • 権利者:日本ブラインドサッカー協会
  • 出願日:2016年4月28日
  • 登録日:2016年11月25日

区分は以下の通りです。

  • 第41類「技芸・スポーツまたは知識の教授、セミナーの企画・運営または開催、スポーツの興行の企画・運営または開催、電子出版物の提供、書籍の制作」など

(4−3)日本ブラインドサッカー協会(JBFA)の商標登録

JBFA(商標登録 第5955471号)


特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

  • 権利者:日本ブラインドサッカー協会
  • 出願日:2016年4月28日
  • 登録日:2017年6月16日

区分は以下の通りです。

  • 第16類「衛生手ふき、印刷物、パンフレット、カレンダー、写真」など
  • 第41類「技芸・スポーツまたは知識の教授、セミナーの企画・運営または開催、スポーツの興行の企画・運営または開催、電子出版物の提供、書籍の制作」など

(5)まとめ

2017年8月25日、東京2020パラリンピック開催までちょうど3年を迎え、東京都豊洲でカウントダウンイベントが行われました。このイベントでは、日本代表選手よるデモンストレーションが行われたほか、実際にプレーを体験できるコーナーもありました。

これから2020年に向け、「ブラインドサッカー」が多くの人に親しまれるものになり、選手たちがいっそう活躍できるよう応援していきたいですね。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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