商標登録されている資格や検定〜秋の夜長に学びのひとときを

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(1)安全な操縦に必要な知識を育む「ドローン検定」

(1–1)「ドローン」とは?

遠隔操作や自動制御システムによって、無人で飛行できる航空機「ドローン」。
2010年代前半から広く一般に普及していき、最近では景勝地などを上空から撮影した映像が、テレビやインターネットで流される機会もふえています。

また、将来、配達業務の一部をドローンが担うための実験も行われており、今後、私たちの生活にますます身近なものとなることが予想されます。

しかしドローンは、過去に墜落によるトラブルが発生したこともあり、その飛行への規制が強められています。そして何よりも、ドローンパイロットに対して、確かな知識の習得やモラルの向上が求められています。

(1–2)「ドローン検定」について

「無人航空従事者試験(ドローン検定)」は、客観的に現在の知識を評価するものです。ドローンパイロットが知識を深めるきっかけとなり、そのレベルアップを促すために実施されています。
そして、ドローンの操縦が正しく安全に行われ、周囲の理解を広く得られることを目指しています。

第1回目の試験は、2015年9月に行われました。このときの申込者は36人(合格者:22人)。
その後、急速に広まっていき、2017年9月の試験では、申込者は1,801人(合格者:924人)となりました。

試験は1〜4級まであり、筆記試験(マークシート方式)のみで行われます。
内容は幅広く、基礎知識(機体の構造、用語など)はもちろん、飛行の特性、航空力学、関連する法律など、さまざまな事柄が問われます。

試験は奇数月に行われ、2〜4級は年に6回、1級は年に3回実施されています。
3・4級は誰もが受験でき、1・2級はそれぞれ2・3級の合格が受験資格となります。

検定の日程は以下の通りです。詳細についてはホームページで確認できます。

[2〜4級]

  • 日時:2017年11月19日(日)
  • 申し込み締め切り:2017年10月31日(火)

[1〜4級]

  • 日時:2018年1月21日(日)
  • 申し込み締め切り:2017年12月31日(日)

チェックしてみましょう

 「無人航空従事者試験(ドローン検定)」https://drone-kentei.com/index.html

ドローンのイメージ画像

(1–3)「ドローン検定」の商標登録

ドローン検定は、運営するドローン検定株式会社の関係者によって、商標登録されています。

ドローン検定/DRONE KENTEI(商標登録 第5843533号)

ドローン検定の登録商標の画像
特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

  • 権利者:山下壱平
  • 出願日:2015年10月29日
  • 登録日:2016年4月22日

区分は以下の通りです。

  • 第16類「印刷された教材、印刷物」など

(2)夜景の魅力を語り、観光に生かす「夜景検定」(「夜景鑑賞士検定」)

(2−1)5,000人を超える「夜景鑑賞士」が誕生

目の前に広がる美しい夜景。その姿は多くの人を惹きつけています。

この「夜景検定」(「夜景鑑賞士検定」)では、そんな夜景を愛し、魅力を語るだけではなく、ビジネスとして生かせる知識を育むことができます。

2008年から始まり、これまでに約5,212人の「夜景鑑賞士」が誕生しました。
そして「夜景鑑賞士」たちが認定する「日本夜景遺産」も、200カ所以上におよんでいます。

試験は1〜3級まであり、1級は2級合格者が対象となりますが、それ以外は年齢や職業などを問わず、誰もが受験できます。

2・3級はwebでの受験となり、「夜景マイスター」の称号を与えられる1級の試験は、東京と大阪の会場で実施されます。

検定の日程は以下の通りです。詳細についてはホームページで確認できます。

[2・3級]web受験

  • 日時:2017年12月9日(土)・10日(日)午前・午後の回
  • 申し込み締め切り:2017年12月3日(日)・公式ホームページより

*受験日時は、上記のなかから希望する回を選択し、ログインするかたちとなります。

[1級]会場受験

  • 日時:2018年2月3日(土)東京会場/2018年2月4日(日)大阪会場
  • 申し込み締め切り:2018年1月8日(月)

チェックしてみましょう

 「夜景検定」(「夜景鑑賞士検定」)http://yakeikentei.jp/index.php

夜景のイメージ画像

(2–2)「夜景検定」の商標登録

夜景検定は、過去に主催していた株式会社産業経済新聞社によって、商標登録されています(現在の主催は、夜景観光コンベンション・ビューロー)。

また夜景検定は、いくつもの商標が登録されており、そのなかの1つは以下のようになります。

夜景検定(商標登録 第5222208号)

夜景検定の登録商標の画像
特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

  • 権利者:株式会社産業経済新聞社
  • 出願日:2008年7月3日
  • 登録日:2009年4月10日

区分は以下の通りです。

  • 第41類「検定試験の企画・運営または実施、検定試験受験者へのセミナーの開催、セミナーの企画・運営または開催、検定試験の学習用の電子出版物の提供、電子出版物の提供」など

(2–3)「夜景鑑賞士検定」の商標登録

夜景鑑賞士検定も、過去に主催していた株式会社産業経済新聞社によって、商標登録されています。

夜景鑑賞士検定(商標登録 第5222210号)

夜景鑑賞士検定の登録商標の画像
特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

  • 権利者:株式会社産業経済新聞社
  • 出願日:2008年7月3日
  • 登録日:2009年4月10日

区分は以下の通りです。

  • 第41類「検定試験の企画・運営または実施、検定試験受験者へのセミナーの開催、セミナーの企画・運営または開催、検定試験の学習用の電子出版物の提供、電子出版物の提供」など

(3)日々を健康に過ごすための知識「栄養検定」

(3–1)2017年に新たに生まれた検定

栄養検定では、栄養学の基本を学び、健康的な食生活を送るための知識が得られます。
食べものが消化、吸収されていく仕組みをはじめ、食品の機能性、栄養素、ライフステージごとの栄養摂取などを理解することで、自分自身や家族の健康維持に役立てることができます。

検定の日程は以下の通りです。詳細についてはホームページで確認できます。

  • 日時:2018年2月25日(日)(予定)
  • 申し込み締め切り:2017年12月頃(予定)
  • 等級:入門コース・初級コース

チェックしてみましょう

 「栄養検定」http://eiyokentei.or.jp

(3–2)「栄養検定」の商標登録

栄養検定(商標登録 第5695409号)

栄養検定は、運営する栄養検定協会の関係者によって、商標登録されています。

栄養検定の登録商標の画像
特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

  • 権利者:松崎恵理
  • 出願日:2014年4月14日
  • 登録日:2014年8月15日

区分は以下の通りです。

  • 第41類「検定試験の企画・運営または実施、検定試験の実施に関する情報の提供、資格の認定および資格の付与、セミナーの企画・運営または開催、電子出版物の提供」など

栄養のイメージ画像

(4)ペットのために知っておくべきこと「ペットフード/ペットマナー検定」

(4–1)ペットとの幸せな時間を過ごすために

ペットと暮らす人や職業としてかかわる人にとって、ためになる知識を学べる検定です。
健康管理に必要なペットフードの知識はもちろん、ペットをめぐるトラブルを減らし、社会に受け入れられるパートナーであるために知っておくべきことなど、人とペットがよりよい関係を築くために必要な内容となっています。

試験は、犬コースと猫コースに分かれており、年に6回、奇数月の1日〜14日に実施されています。
webのみの受験となり、受験IDの受理など手続きが完了した後であれば、24時間いつでも受けられます。

検定の日程は以下の通りです。詳細についてはホームページで確認できます。

  • 受験期間:2017年11月1日(水)0:00〜11月14日(火)22:59(試験終了23:59)
  • 申し込み締め切り:2017年11月10日(金)13:00まで

チェックしてみましょう

 「ペットフード/ペットマナー検定」http://petfood-kentei.jp

(4–2)「ペットフード/ペットマナー検定」の商標登録

ペットフード/ペットマナー検定(商標登録 第5539752号)

ペットフード/ペットマナー検定は、運営するペットフード協会によって商標登録されています。

ペットフード検定の登録商標の画像
特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

  • 権利者:一般社団法人ペットフード協会
  • 出願日:2012年2月6日
  • 登録日:2012年11月30日

区分は以下の通りです。

  • 第35類「広告業、経営の診断または経営に関する助言、市場調査または分析、商品の販売に関する情報の提供、ペットフードの小売または卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」など
  • 第41類「検定試験の企画・運営または実施、検定試験の実施に関する情報の提供、セミナーの企画・運営または開催、電子出版物の提供、書籍の制作」など

いろいろなジャンルの資格や検定が、商標登録されているんだね。

たくさんの人がこうやって権利を守っているんだよ。

(5)そのほかの興味深い資格や検定とは?

(5–1)商標登録で保護されているもの

多くの人が受験したり、一風変わったものなど、興味深い資格や検定は、まだまだたくさんあります[1]。
そのなかで商標登録されているものを、いくつか下記にまとめます。

文化・教養関係

考古検定(商標登録 第5398652号)
  • 権利者:公益社団法人日本文化財保護協会
  • 試験日程:2017年11月18日(土)〜11月26日(日)
  • ホームページ:[http://www.n-bunkazaihogo.jp/koukokentei]
こと検[ことわざ検定](商標登録 第5366167号)
  • 権利者:株式会社データ・ファー・イースト社
  • 試験日程:2017年11月26日(日)
  • ホームページ:[http://kotowaza-kentei.jp]

調理・食品関係

家庭料理技能検定(商標登録 第4999405号)
  • 権利者:学校法人香川栄養学園
  • 試験日程:2017年11月19日(日)[3〜5級のみ]
  • ホームページ:[https://www.ryouken.jp/ app_home.action]
パンシェルジュ検定(商標登録 第5284923号)
  • 権利者:株式会社ホームメイドクッキング
  • 試験日程:2018年3月18日(日)
  • ホームページ:[http://www.kentei-uketsuke.com/pancierge/index.html]

生物・環境関係

生物分類技能検定(商標登録 第4891195号)
  • 権利者:一般財団法人自然環境研究センター
  • 試験日程:2017年11月12日(日)
  • ホームページ:[http://www.jwrc.or.jp/ approval/examinee/day.htm]
ECO検定/エコ検定(商標登録 第5094867号)
  • 権利者:東京商工会議所
  • 試験日程:2017年12月17日(日)
  • ホームページ:[http://www.kentei.org/eco]

(6)まとめ

数多く存在する資格や検定は、専門的なものから、楽しみながら学べるものなど、千差万別です。

受験者の知識や技術の習得を証明する資格や検定は、それ自体が信頼できるものでなければなりません。
第三者によって、その名称を不当に使用されることはあってはならないのです。
そのため、商標登録による保護が、この上なく重要になります。

商標法に基づいた知識によって、多くの資格や検定の権利が守られることは、その資格をもつ人への信頼や、サービスを利用する人の安心にもつながっていきます。
このように、知識は思わぬところで密接に結びつき、私たちの心強い味方となってくれているのですね。

情報にあふれた現代では、知らないことは無数にあります。
この秋は、虫の音に耳を傾けながら、心静かに学びのひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか?

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

[参考]

  • [1]日本の資格・検定のホームページ

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「商標登録されている資格や検定〜秋の夜長に学びのひとときを」への2件のフィードバック

  1. 記事を興味深く読ませていただきました。

    現在、ある検定の独学受験情報ブログを立ち上げようと考えておりますが、当該検定の名称・サービスが商標登録されています。

    例えば「夜景鑑賞士検定」のように区分内に「検定試験に関する電子出版物の提供」を含む検定の場合、『夜景鑑賞士検定の独学受験ブログ!』といった名称のブログを運営したり、記事内に名称を記載することは違法(商標侵害)になるのでしょうか?

    ブログの内容としては、「検定試験の概要の紹介」「受験体験記」「おすすめ問題集の紹介」といった感じです。
    ブログ自体の閲覧自体は無料ですが、『おすすめ問題集の紹介』の記事にて問題集への広告を貼り、広告収入を得ることを想定しています。

    よろしければお答えいただけますと幸いです。

    返信
    • 仮に登録商標を商標権の範囲で使用していると認定される場合には商標権の侵害になります。

      実際に商標権の侵害にあたるかどうかは、商標権の内容と、実際にこちらが使っている商標の表示状態を確認しないと、結論が侵害する場合と侵害しない場合に分かれます。

      どのように実際に商標を使用しているのかが重要になります。

      返信

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