二つ以上の商標はそれぞれ商標ごとに出願申請する

商標登録する際には特許庁に商標登録出願を行う必要があります。この際に商標登録出願は商標ごとにしなければならない点に注意してください。別々に商標登録出願を行うことにより、出願番号が別々に付され、別々に審査がなされ、別々に商標権が発生します。

商標登録出願は商標ごとにする必要がある

商標登録する際には特許庁に商標登録出願を行う必要があります。

このために願書を準備しますが、注意点があります。

商標登録出願は商標ごとにしなければならないということです。

例えば商標登録を希望する商標として、「サンライズ」と「ギャラクシー」があったとします(これらは飽くまで例で、これらを実際に出願すれば通るという話ではありませんのでご注意ください。)。

この場合には商標「サンライズ」と商標「ギャラクシー」のそれぞれについて願書を作成して特許庁に商標登録出願をする必要があります。

商標法上、商標登録出願は商標毎に行うことになっています。

商標ごとに出願することにより、商標ごとに商標権が得られる

この様に別々に商標登録出願を行うことにより、出願番号が別々に付され、別々に審査がなされ、別々に商標権が発生します。

ですから、商標「サンライズ」と商標「ギャラクシー」について、それぞれ出願することにより、それぞれ商標「サンライズ」と商標「ギャラクシー」についての二つの商標権が得られます。

商標「サンライズ」のみを商標登録出願した場合は、商標「ギャラクシー」については商標権が得られないということが起こります。

なぜ二つ以上の商標を一つにまとめて出願してはいけないのか

商標法上、商標を記載する欄には一つの商標しか記載してはいけないことになっています(商標法第6条)。

二つ以上の商標を一つにまとめて出願した場合、その二つ以上の商標の全体が一つの商標であるとして判断されて審査され、登録されて商標権が発生するからです。

なお、誤解し易いですが一つの商標の中には複数の商標を構成する要素が含まれていても全く問題はありません。

複数の構成要素がある場合には、それら全体で一つの商標を構成している、と考えます。

二つ以上の商標を一つにまとめて商標登録出願すると何が問題になるのか

二つ以上の商標を一つにまとめて出願すると、それぞれの商標を権利内容として主張することが認められない場合があるからです。

例えば、説明の事例として、「安くて・早くて・うまい牛丼」という商品があったとします。

この牛丼を食べた客は、確かに安くて早いが、美味しくはなかったと感じた、とします

店員に「うまいと宣伝していたので食べたのにおいしくない」、と客が主張したとしtます。

ところが店員は「”安くて・早くて・うまい牛丼”は、”安くて・早い牛丼”を表現内容に含むから、うまくなくても表現上は全く問題がない」、と反論したとします。

このような主張を聞いたらカチンときませんか。

なぜなら、「安くて・早くて・うまい牛丼」が美味しくないなら、「うまい」と表現している部分は少なくとも虚偽表示になるからです。

つまり、客側の立場に立つと、「安くて・早くて・うまい牛丼」とは「安く」、「早く」および「うまい」との表現が、「and」で結ばれていて全て揃っていて当然と解釈します。

これに対して店側の立場は違います。

「安くて・早くて・うまい牛丼」とは「安いか」、「早いか」または「うまいか」の表現が、「or」で結ばれていると主張しています。各条件は選択条件であるので、全部が揃わなくても全く問題はないと解釈するというのです。

もちろん、こんな店側の主張が通るはずがありません。

仮に店側の主張が通るとすれば、

「最新パソコンが一万円で無料修理期間は10年無料」と宣伝広告するパソコンショップが存在した場合に、「無料修理期間は10年無料」の約束を守らなくても、「最新パソコンが一万円」を守っているのだから問題がない、と主張した場合には騒動が起きるでしょう。

自分で表現しておいて、後から自分が表現したものは関係がない、というのは許されないです。

法律上は、複数の構成要素からできている登録商標が全体として一つの権利を構成している場合、各要素ごとには原則として権利主張ができない、というしばりがあります。これを”権利一体の原則”といいます。

例えば、「日本大学」は登録商標で商標権が発生していますが、この登録商標をもって、「日本」と「大学」とのそれぞれの商標を他の誰も使うな、と仮に主張したとしたら、大騒ぎになるでしょう。

「日本大学」との商標はこれ全体で一つの商標権で、「日本」との商標や「大学」との商標についてそれぞれ商標権が発生しているわけではないです。

ただ商標の場合には権利の効力は類似する範囲に及びますのでもちろん例外的な事例もあります。

例外があるからこそ、一つの商標の中に複数の商標があると主張した場合にはその主張が認められるかどうかでトラブルが生じます。
そしてトラブルが生じると、そのトラブルの解決までには長い時間と少なくない費用が発生してしまいます。

このようなトラブルが発生しないように事前に考えておくことが重要なのです。商標登録出願する商標をどうするのかは専門家と相談する必要があります。

ファーイースト国際特許事務所
弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

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