商標登録の話題

商標登録と意匠登録との違いについて簡単に説明しますネ。

俗に「デザイン商標」とか「ロゴ商標」とか「意匠商標」等の言葉が使われることがありますが、これらは造語であって、法律上の規定がありません。

これらの造語を文字通り使用すると、「デザイン商標の意匠登録を考えているのですが」との会話が出てくる可能性がありますが、デザイン商標を意匠登録するケースは存在しないのです。意匠と商標とでは保護対象が異なるからです。

まず商標登録について。

商標は、会社名とか商品名などのネーミングとか、図形、記号などのマークを保護するものです。

要するに「ブランド」を保護するものです。

これに対し、意匠は乗用車の外観とか、カバンの外観等に代表される様に、物品の外観を保護するものです。

要するに「デザイン」を保護するものです。

商標(ブランド)は商標法により保護され、意匠(デザイン)は意匠法により保護されています。

適用される法律は全く別なのです。

商標の具体例としては商品の箱とか包装紙にペタペタ貼るマークやネーミングタグを連想していただければわかりやすいと思います。Tシャツの首の後についているタグに書いてある会社名等の文字が商標に該当します。

これに対して意匠の具体例としては、物品(自動車とか万年筆とかの)に具体的に表現されたデザインを連想していただければわかりやすいと思います。

例えば最新型新幹線について意匠登録がなされている場合には新幹線そのものを製造販売することがデザイン保護の観点から禁止されます。

これに対し、最新型新幹線についてお菓子を指定商品として商標登録がなされている場合には、お菓子に最新型新幹線のマークやシールをつけるのが、ブランド保護の観点から禁止されます。

この様に意匠登録により保護されるデザインは実際に物品として具体的に表現されたものであり、その物品そのものが保護されています。デザインと物品とは切り離すことができません(新幹線から新幹線の外側のデザインのみを切り離すことができません)。

このため意匠権により保護されるデザインは自動車、冷蔵庫、カメラ等といった具体的な物品と結びついたものになります。

ファーイースト国際特許事務所
弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

商標登録の話題

商標登録の保護対象は

ここがポイント!

商標は、商品のパッケージに表示する識別標識

商標登録は、商標をどの商品・役務に使用するかを指定して登録することにより、登録された商標と一体となったブランドの信用力を保護する制度です。
登録できる商標は、文字や図形、記号、マーク等です。

商標とは、いわば名前のような役割を果たすものと考えるとよいです。

例えば、商標「iPhone」をスマートフォンを指定して登録すると、商標権者以外は「iPhone」という商標をスマートフォンに使用することができなくなります。「iPhone」というスマホの名前を独占使用できます。

意匠登録の保護対象は

ここがポイント!

意匠は、物品そのもののデザイン

意匠登録は、物品そのもののデザインを、物品を指定して登録することにより、そのデザインが付された物品の製造販売を独占保護できる制度です。

俗に「意匠商標」とか「デザイン商標」とかの言葉を聞くことがありますが、意匠登録と商標登録とは全く別です。商標というカテゴリーの中に意匠という枠組みがあるのではありません。
商標は商標法により保護され、意匠は意匠法により保護されます。法律体系が全く別になっています。

例えば、意匠登録の例として、自動車「スカイラインGT-R」のデザインが登録されていた、とします。
この場合は、意匠権者以外は、無断ではスカイラインGT-Rのデザインと似た、「自動車」を製造販売することができません。

意匠法で保護されるデザインは、物品と一つになったものであり、物品からデザインを切り離すことができないと法律上は考えます。

これに対して商標法で保護される商標は、物品や役務から切り離されたシールやタグ等の形で提供されるものです。

商標登録と意匠登録の違いは

商標登録はネーミング、会社名、商品名、サービス名等の文字等からできているブランドを保護するものです。

これに対し意匠登録は物品に表現されたデザインを保護するものです。

意匠登録の場合には保護の対象となるデザインが新しいことが必要です。

つまり既に知られているデザインは原則として意匠登録されないことになります。

これに対し商標登録の場合には造語でなくても商標登録の対象となります。

つまり既に知られているものであっても商標登録されることが可能です。

意匠登録の場合にはデザインのモチーフそのものは登録の対象とならず、そのモチーフを具現化する物品を特定する必要があります。意匠登録で保護されるデザインは物品とワンセットで保護対象となります。

商標登録の場合はネーミング、ロゴ等の商標だけを登録するのではなく、その商標をどの事業分野、具体的にはどの商品やサービスに使用するかを指定する必要があります。

商標登録で保護されるブランドは指定する商品やサービスとワンセットで保護対象となります。

ファーイースト国際特許事務所
弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247