商標登録の区分

特許庁では指定商品の追加は一切受け付けないので注意

商標登録の出願の際には、願書に指定商品を書く欄があります。願書に記載した指定商品の範囲で商標権が発生します。

もしうっかり指定商品の欄に、本当は商標権が欲しかった商品を記載するのを忘れた場合、後から指定商品を追加する補正を行うことはできないことになっています。

このため商標登録の出願内容に指定商品の漏れがあることに気がついた場合には、至急新たな出願をする必要があります。

既に出願した内容に新たな指定商品をすることは、出願日により誰が商標権者になるかを定める先願主義に違反するため認められないことになります。

また後から自由に指定商品を追加できるとすると、後からなされた出願は、先になされた出願の指定商品の内容が確定するまで審査をすることができなくなってしまいます。先になされた出願の内容が変化するのであれば、後の出願の内容と抵触するかどうかは、先の出願の内容が確定するまでは判断できないからです。

受験生同士の公平の観点から一度提出した試験の答案用紙を後から書き直すことができないのと同様であると考えて頂ければ分かりやすいと思います。

指定商品は後から追加はできないため、願書に入れるかどうか迷う場合には入れておく方が無難です。後から指定商品を削る補正はできるからです。

一度削除してしまうと復活ができないから要注意

記入を忘れた商品を後から追加できないのはつらいですが、さらに注意すべき点があります。

それは、補正により一度削除してしまうと、特許庁は削除補正した内容を復活させることを一切認めないからです。

実務上、生じる可能性があるケースは、複数の区分のうち、一つの区分だけについて補正したい場合があるとします。
このときに、他の区分の記載をせず、一つの区分のみを記載して手続補正書を提出すると、補正の際に記載しなかった区分については削除されてしまったものとして特許庁で扱われる場合があります。

このためよくわからないままに市販のひな型を使って手続をすると、一部の権利が回復不能のままなくなってしまう場合がありますので、特に特許庁に手続補正書を提出する際には注意が必要です。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

商標登録の検索と調査

商標登録を行うときには特許庁に商標を指定して手続きを行います。

このとき、商標のみが登録の対象になるのではなくて、その商標を使用する商品や役務(サービス)を合わせて登録することになっています。

願書に記載した商標に関連して願書に記載する商品や役務はそれぞれ指定商品、指定役務と呼ばれます。

この指定した商品や役務が商標権の権利範囲を定める基準になります。

例えば、Tシャツや帽子を指定商品として商標登録した場合には、このTシャツや帽子に類似する範囲に商標権の効力が及びます。

このためTシャツや帽子に類似しない化粧品、お酒、自転車についての登録商標の使用には商標権の効力は及びません。

商標登録の際に商品や役務を指定する際の注意点は次の通りです。

1)指定商品や指定役務は自社が今後使用するものを選ぶ

他人にこちらの商標を使わせない、という発想に立つと、ありとあらゆる商品や役務を保護しなければならないことになります。

ところが特許庁の課金単位は、この商品や役務の広さに依存して増加します。

このため他人に使用させないという発想でいくと不要な費用が発生してしまうことになります。

他人に使わせない、という発想ではなく、自分は何に登録商標を使用するのか、といった観点から商品やサービスを選択する必要があります。

2)中心となる商品や役務を決定する

中心となる商品や役務は、これから出願しようとする商標について他人に先に商標登録された場合、いちばん打撃を受ける商品や役務です。これらの商品や役務を含む区分を選択して出願するようにします。

核になる芯の部分の権利を確保せず、枝葉の権利を取得するのは本末転倒です。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

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商標登録の話題

特許庁に商標を登録するときは、ネーミング、ロゴ、商品名、サービス名、会社名、社名、店名、ショップ名等の商標のみを登録するのではなく、そのネーミング、ロゴ等の商標をどの様な業務分野に登録するのか指定しなければなりません。 続きを読む: “商標登録の手続きの前に”