下町ボブスレーは商標登録されていますか?

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(1)下町ボブスレーの商標は日本で登録済み

下町ボブスレーの商標は日本で既に登録されています

下町ボブスレー
商標登録第5600086号。特許庁で公開された商標公報より引用

下町ボブスレーの登録商標
商標登録第5600087号。特許庁で公開された商標公報より引用

両方の登録商標とも、登録日は平成25年(2013)7月19日、運動具を指定商品として、下町ボブスレー合同会社により登録されています。もちろんボブスレー用そりは第28類の運動具に含まれますので、下町ボブスレーの登録商標をボブスレー用そりの販売に使用できるのは商標権者だけになります。

なお、下町ボブスレー合同会社の許可があれば、商標権侵害の問題は生じません。外部からは下町ボブスレー合同会社が誰に使用許可をしているのかは全ては公示されていないです。このため下町ボブスレーを使用している業者のうち、誰が商標権を侵害しているのかは、商標権者が指摘しない限り正確には分からないです。

この通り、下町ボブスレーは商標登録されるため、スポーツ用具に下町ボブスレーを使うのは商標権侵害になります。

(2)複数の下町の登録商標が存在するが問題はないのか?

商標権は指定商品・指定役務が違えば商標が同じでも登録可能

商標の文字の中に「下町」との文字を含む出願・登録商標は、現時点で130件あります。中には「下町」(商標登録第第1970203号の2)等もあります。

先に「下町」との商標が登録されているのに、「下町ボブスレー」を含む100以上の商標が出願登録されいるのはなぜでしょうか。

実は、商標が同じでも、商標を使用する指定商品・役務が異なれば、商標登録を受けることができます。

例えば、「下町」(商標登録第第1970203号の2)は第33類の「リキュール」を指定して登録されているのに対し、別の「下町」(商標登録第2424879号)は第29類、第30類、第32類を指定していて、第33類を指定していないので、登録が認められます。

指定商品・役務が同じでも登録される場合はあるのか?

指定商品が同じで、商標の中に「下町」を含む場合でも、それぞれ並列して商標権が認められる場合があります。

商標権は独占排他権なので、同じか似た登録商標について、同じか似た商品を指定した出願は後から登録できません。商標権に権利の重複部分があると、もはや独占排他権とはいえなくなるからです。

ですので、指定商品が同じで登録されている登録商標同士は、一部文字の重複部分があるとしても、互いに類似しないと判断された、ということです。

実例を見てみましょう。

下町のナポレオン

  • 登録商標:下町のナポレオン
  • 登録番号:第3307406号
  • 登録日 :平成9年(1997)5月16日
  • 指定商品:第33類「麦焼酎」

城下町のナポレオン

  • 登録商標:城下町のナポレオン
  • 登録番号:第3369323号
  • 登録日 :平成10年(1998)3月27日
  • 指定商品:第33類「日本酒」

上記の登録商標「下町のナポレオン」と「城下町のナポレオン」とは、指定商品がそれぞれ麦焼酎と日本酒であり、それぞれ同一ではありません。

けれども麦焼酎と日本酒とは、互いに類似する範囲に入るものとして商標法上扱われています。そうすると、「下町のナポレオン」と「城下町のナポレオン」とは互いに類似しないものと特許庁で判断された、ということです。

納得のいかない方もいるかもしれませんが、「下町」と「城下町」とでは、文字構成が一部重複しますが、両者は意味が全く異なりますから、別の商標と判断されました。

(3)下町は一般名称とはいえないので注意しよう

「下町」は一般名称といえるか?

下町との言葉は、直感では誰もが自由に使える一般名称ではないか、だから誰も自由に使えるのではないか、と考える方がいるかも知れません。

けれども商標が一般名称かどうかは、登録の際に指定される商品役務との関係で一般かどうかが判断されます。

指定商品がお酒の場合、お酒の商標として「下町」は一般名称とはいえないです。誰も下町と聞いて即座にお酒を指すとは考えないからです。このため、「下町」との文字を含む商標が商標権として登録される余地がでてきます。

「下町食堂」(商標登録第5492048号)、「下町洋食屋」(商標登録第5567662号)、「下町定食屋」(商標登録第5711522号)、「東京下町」(商標登録第5488755号)等は全て登録商標です。

このため、商標、つまり事業用の識別標識として無断で使うことはできないです。

(4)まとめ

下町の文字を含む商標は意外とたくさんあります。中には登録されて商標権が発生しているものもありますので、うっかり事業用の商標に使用しないように注意しましょう。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

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