索 引
ⅰ まずはじめに
商標法によると、商標権の効力は願書に記載された〈商標〉と指定商品又は役務の欄に記載された具体的な〈商品又はサービス〉によって決定されます。また、商標権による保護を受けるためには、特許庁に願書を提出して審査を通過し、登録時の印紙代を納付して登録処分を受ける必要があります。
ここで、願書の指定又は役務の欄に記載する〈商品又はサービス〉は国際分類に基づいて特許庁において定められた区分に従って、明確に記載することが求められます。
しかし〈会社名〉は商標法上の商品でもサービスでもなく、またどこの区分にも属しません。
ⅱ 検索すると。。。
それでは、名だたる有名企業は自社の名称を商標登録していないのでしょうか。答えはNOです。特許庁データベース(「特許情報プラットフォーム」URL:www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)で検索してみますと、例えば「SONY」(ソニー株式会社、商標登録第0512083号)、「APPLE」(アップル インコーポレイテッド、商標登録第1758671号)「セブン-イレブン」(株式会社セブン-イレブン・ジャパン、商標登録第1473677号)といった登録を確認することが出来ます。
つまり、〈会社名〉それ自体は商標法が予定する商品にもサービスにもなりませんが、その会社が取り扱っている商品や提供しているサービスを全て指定して、会社名と同じ商標の登録を受けることによって、会社の名称が商標権による保護を受けたのと同じ効果が得られるのです。
ファーイースト国際特許事務所
弁理士 秋和 勝志
03-6667-0247