先生!商標法って、なんか審判が多くないですか?

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1.拒絶査定不服審判

出願した審査結果が不合格(拒絶査定)であった場合に、その適否を争うための手続です。

日本の憲法では、行政処分に対して不服がある場合には必ず裁判所へ出訴することを保障していますが、商標法では特許庁の拒絶査定に対する出訴を認めていません。

これは、特許庁の取り扱う事件が高度な専門性を有しているため、いきなり裁判所で審理することはかえって出願人の利益を損なうおそれがあるため、もう一度専門官庁で審理をやり直し、それでも不服が解消しない場合には裁判所へ出訴を認めるという制度の構造に由来ます(審判前置主義)。

2.無効審判

瑕疵ある行政処分によって発生した、無効理由を含む商標権を消滅させるための手続です。

本来であれば、審査で拒絶されるはずの出願が誤った判断によって権利として発生し、その状態を放っておくことは、本来であれば存在することができないにもかかわらず、排他独占権という極めて強力な権利の行使を商標権者に認めた状態を放置する結果となり妥当でないからです。

3.補正却下決定不服審判

出願中に行った補正が不適法と判断された場合、その補正手続は却下されます。その決定に対して不服を申し立てるための手続です。

商標法では補正の却下について以下のように規定されています。

願書に記載した指定商品若しくは指定役務又は商標登録を受けようとする商標についてした補正がこれらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない。)

(第16条の2)

4.不使用取消審判

登録から継続して3年以上指定商品またはサービスに登録商標を使用していない場合に、商標権を消滅させるための手続です。

商標権者は指定商品またはサービスに登録商標を独占的に使用する権利が与えられます。しかし、その一方で登録商標を指定商品またはサービスに使用する義務も課されます。

これは商標権の保護の対象が商標に蓄積した業務上の信用であり、不使用状態が続く商標には業務上の信用が蓄積していないか蓄積した信用が消滅していることが考えられ、また、他人の商標の使用を不当に阻害するためです。

5.不正使用取消審判

商標権者が故意に登録商標と類似する商標を使用して一般消費者を害したような場合に、商標権を消滅させるための手続です。

商標権者は登録商標を指定商品またはサービスに独占的に使用する権利を有しています。しかし、指定商品またはサービスに登録商標と類似する商標を使用する権利や、指定商品またはサービスに類似する商品またサービスに登録商標または登録商標と類似する商標を使用する権利は有していません。他人の使用をやめさせる権利を有しているにとどまります。にもかかわらずこのような類似の範囲の使用によって一般消費者を混乱させた場合に商標権を取り消すための制度です。

例えば、大手のメーカーが自分の保有する登録商標と似た名称の商品の販売を開始したことに着目して、当該メーカーのラベルの自体と似せた自体に変更して使用を開始するような行為が対象になります。

6.分割による出所混同にに対する取消審判

商標法の改正により商標権は自由な分割移転が認められる用になりました。分割よって類似する商標権が異なる主体に帰属することに伴い、出所混同が生じた場合に、商標権を消滅させるための手続です。

現在の商標法では指定商品が2以上ある場合に、各指定品ごとに自由に移転が認められています。この分割移転を契機に、一方が他方の商標と出所混同を生じさせた場合に商標権を取り消すための制度です。

例えば、商標権の分割移転後に買い手側の売れ行きが好調であることに着目した売り手側が、自己の商品を買い手側が提供する商品であるかのように使用する場合が考えられます。

7.使用権者の不正使用取消審判

商標権は自由なライセンスが認められるため、ライセンシー(使用権者)が商標を使用して出所混同が生じた場合に、商標権を消滅させるための手続です。

これは商標権者の有するライセンシーへの注意・監督義務を怠ったことへの制裁として用意された審判です。

8.ライセンシサーによる取消審判

パリ条約1条に規定された他の同盟国、または世界貿易機関の加盟国において、商標に関する権利を有する者の承諾を受けずに、その国内代理人等が勝手に日本にその商標と同一または類似する商標を出願をした場合に、その商標登録出願が登録されたときは、商標に関する権利を有する者がその商標権を消滅させるための手続です。

ファーイースト国際特許事務所
弁理士 秋和 勝志
03-6667-0247

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