商標登録の費用
いったい費用は、いくらなのだろう?本当に、そんなに安く済むのだろうか?
分かりにくい費用を大解剖しました。費用の全てを、漏れなく、正確に、理解できます。
- 調査費
- 出願費
- 審査対応費
- 登録費
※手続きの流れに沿って整理すると、弁理士事務所に払う費用は、●の4つしかないことが分かります。
費用は、いったい、いくらかかるのだろう?
商標登録の費用は、どの事務所もWebで説明しますが、今ひとつ、分からないのではないでしょうか。どの事務所も、自分に有利な説明をするので、依頼者に分かりにくくなっています。
そこでファーイースト国際特許事務所は、依頼者の視点で料金を比較できるよう、手続きの流れに沿って整理しました。見た目の安さでなく、本当にかかる費用を、知ってほしいからです。特に商標登録は、料金表から分からない「隠れた費用」もありますので、注意してお読み下さい。
費用の整理は、手続きの流れで!
商標登録は4つのステップで進みます(上記チャート図ご参照)。費用は各ステップ毎に発生するとお考えください。
1.調査: 商標が、既に登録されてないかどうか、弁理士が調べる作業です。
2.出願: 商標を特許庁に出願します。
3.審査: 特許庁の審査です。不許可なら審査官と交渉します。
4.登録: 特許庁が許可した場合、正式に登録します。
登録後は、更新(5年・10年の2種類有り)時に、費用がかかります。また第3者が権利侵害した場合には、紛争解決のために費用が必要です。
特許庁に払う費用は、どこも同じ。
特許庁の費用は法定(印紙代)ですから、どの事務所も同じ料金を請求します。出願と登録の時に費用が必要です。
1.出願時の費用
1区分 12,000円
2区分 20,600円
3区分 29,200円
「区分」という聞き慣れない言葉がありますが、ここでは何個の区分に出願するかで、費用が変わると押さえて下さい。「区分」はとても重要なので、後ほど詳しく説明します。
2.登録時の費用
- 区分数
- 5年分の特許庁印紙代
- 10年の特許庁印紙代
- 1区分
- 16,400円
- 28,200円
- 2区分
- 32,800円
- 56,400円
- 3区分
- 49,200円
- 84,600円
- 区分数
- 1区分
- 5年分の特許庁印紙代
- 21,900円
- 10年の特許庁印紙代
- 37,600円
- 区分数
- 2区分
- 5年分の特許庁印紙代
- 43,800円
- 10年の特許庁印紙代
- 75,200円
- 区分数
- 3区分
- 5年分の特許庁印紙代
- 65,700円
- 10年の特許庁印紙代
- 112,800円
5年と10年は商標を何年間、有効にするかです。5年にすれば、5年後に更新、10年なら10年後に更新となります。登録する時には、出願とは別に、この登録費がかかります。最終的に特許庁に収める費用は、登録費と出願費を合計した金額です。
弁理士に払う費用を、整理しよう!
それでは次に、弁理士へ支払う費用を説明します。料金は事務所によって違いますが、手続きの流れに沿って、「調査」「出願」「審査対応」「登録」の4つしか、費用項目はありません。
どの費用を請求し、どれを無料にするのか、そしてどの費用を返金すると言っているのか、各事務所の説明を読むときは、正確に理解してください。特に注意してほしいのは、料金表から分からない隠れた費用です。
調査の費用は、予測しづらいので注意しよう!
弁理士が最初に行うのは、類似商標がないかどうか、調査です。調査費は、無償と有償の事務所があります。有償の場合は、次の2点に注意してください。
1.調査費の単価が、「商標」毎になっていないか?
仮にあなたが「A」という商標を希望するとします。調査すると「A」は未登録ですが、「A+」は登録済みでした。多くの場合、こういう結果になります。
日本の商標登録数は、約170万件以上もあり、毎日新たに申請される数は約400件です。ですから、ほとんどの場合、似たような商標が登録されています。登録できるかどうか、白黒が明確な場合はほとんどありません。必ずグレーになると思ってください。
そうすると、Aは出願しても不許可の危険がありますから、安全をみて「B」も調べてみましょう。こうなります。そして「B」を調べたら、「B+」が登録されていました。「B」も不許可の危険があるので、「C」も調べてみましょう。
このように調査費の単価が、商標数ごとに請求される場合、商標を調べれば調べるほど、費用が高騰します。依頼者の方は不許可を避けたいですから、どんどん商標を調べることになります。こうして調査費が思った以上に高くなります。
希望する商標に、どのような類似商標があるかは、調べてみないと分かりません。弁理士も調査する作業がありますから、費用請求は正当ですが、何らかの形で、事前に明示すべきでしょう。
2.調査費が区分毎になっていないか?
調査費が「区分」毎の場合も、注意が必要です。区分とは、商標をどの業種・業態で認めるかという、商標権の範囲です。
仮にあなたがラーメン屋さんなら、「店内飲食」として43類、さらに「持ち帰り」として30類に出願することが必要です。「店内飲食」だけで取得すれば、競合店が「持ち帰り」で同じ商標を使っても、商標権を主張できません。
アパレルショップの屋号なら、アクセサリー(14類)、かばん(18類)、クッション(20類)、衣服(25類)への申請が必要です。
このようにどの区分で申請するかは、商標の根幹に関わる重要な問題です。ですので、しっかりとコミュニケーションできる弁理士を選んでください。十分な話し合いをせず、機械的に申請する場合には、申請漏れの起きる危険があります。
何個の区分に申請するかは、あなたのビジネス次第ですが、一般的に言えば、3区分くらいです。ですので、調査費が「区分」毎に請求されるなら、1区分を前提に費用を見込むのでなく、3区分くらいで考えるようにしてください。
出願の費用は、ここに注意!
調査が終わると、出願です。出願費で注意すべきは、1区分で考えず、複数区分で費用を見積もることです。既に調査費で説明したとおり、商標は1区分で済むケースは少ないからです。
費用の安さを掲げる事務所は、1区分の費用だけ安くして、2区分・3区分と増えるにしたがって、費用がかなりアップします。多くの方が1区分でしか考えないのを、見越しているからです。
1.激安・事務所の出願費
- 1区分
- 2区分
- 3区分
- 5万円
- 8万円
- 11万円(増額は3万円づつ)
- 1区分
- 5万円
- 2区分
- 8万円
- 3区分
- 11万円(増額は3万円づつ)
2.本来のあり方
- 1区分
- 2区分
- 3区分
- 5万円
- 5万円
- 6万円(増額は2万、1万と下がっていく)
- 1区分
- 5万円
- 2区分
- 5万円
- 3区分
- 6万円(増額は2万、1万と下がっていく)
※上記価格は説明を理解するための例示であり、実際の金額ではありません。
申請する区分が増えるといっても、商標は同じです。弁理士の手間を考えれば、区分が増えるにしたがって、費用を減額するのが本来の姿です。
審査対応の費用に、注意しよう!
申請から6ヶ月後、許可なら問題ありませんが、不許可なら特許庁と交渉になります。ここで費用が発生します。ふつうは書面で異議を申し立てますが、特許庁に近い弁理士は直接出向く場合もあります。
審査対応で注意すべきは、支払額でなく、事務所がどの程度審査に不合格になっているか、すなわち審査の不合格率が重要です。本来、不合格はあってはならないのです。どれだけ、正確に申請できるかが、弁理士の腕の見せ所だからです。
残念ながら依頼者の方が、不許可率を知る方法はありませんが、次の3点から見分けることが出来ます。
1.経験は豊富か?
当たり前ではありますが、経験豊富な弁理士は、グレーゾーンの濃淡を区別する能力があります。経験から、これはアウト、これならセーフと区別できます。
2.入念に調査をするか?
どれだけ入念に調査をするかは、とても重要です。ここが不許可率に一番大きく影響します。依頼者がどんな事業をしているのか。どんな商標を考えているのか。どんな類似商標があるのか。時間を割けば割くほど、不許可率は下がります。
調査は無料で行う事務所が多いですから、その時の対応を観察することで、判断してください。
3.依頼者の立場にたつ人柄か?
特許庁が許可と不許可を判断するときは、類似群コード(5桁のコード)に類似商標がないかどうかで判別します。これは先に説明した「区分」とは別の話です。不許可を避けるには、この類似群コードを変更すれば良いのですが、それは商標権の範囲を狭めることになり、依頼者の意図に沿わない場合があります。
相当に専門的な話なので、これ以上立ち入りませんが、こう考えてください。単に不合格が少ないだけでなく、依頼者の立場にたって誠実に対応する弁理士かどうか、その人柄が重要ということです。
登録の費用で、注意してほしいこと。
無事に許可がおりれば、正式に登録です。登録費で注意すべきは、ゼロ円の場合です。ゼロ円の場合、依頼者にとってプラスのような気がしますが、現実は違います。注意してほしいのは、登録費は許可がおりて、初めて発生する費用である点です(ふつうは申請から6ヶ月後)。
- 費 用
- 登録費ゼロ
- ふつうの場合
- 出願費
- 5万円
- 3万円
- 登録費(6ヵ月後)
- 0万円
- 3万円
- 総 額
- 5万円
- 6万円
- 費 用
- 出願費
- 登録費ゼロ
- 5万円
- ふつうの場合
- 3万円
- 費 用
- 登録費(6ヵ月後)
- 登録費ゼロ
- 0万円
- ふつうの場合
- 3万円
- 費 用
- 総 額
- 登録費ゼロ
- 5万円
- ふつうの場合
- 6万円
※上記価格は説明を理解するための例示であり、実際の金額ではありません。
登録費がゼロ円の場合、逆に出願費は割高になっているはずです。登録費を、出願費に上乗せしているからです。支払い総額で比較すれば、安いかも知れませんが、なぜ総額を下げてまで、登録費をゼロにするのでしょうか。
それは審査に合格できなかった時でも、弁理士が損をしないためです。申請時に全費用を請求しておけば、6ヵ月後に審査に不合格になっても弁理士は困りません。言い換えれば、不合格のリスクを依頼者に負担させているわけです。
もちろん総額で安いなら、それで構わないと思う方もいるでしょう。ただ、どの時点で費用を請求するかは、不許可のリスクをどちらが負うかという、事務所の経営姿勢を表していることは忘れないで下さい。
返金保証は、中身をしっかり確認しよう!
ファーイースト国際特許事務所は、2007年10月に当時はまだ珍しかった完全返金保証を始めました。今でこそ、多くの事務所が返金保証を掲げますが、当時は事務所費用に加え、特許庁の印紙代まで返金する事務所はウエブ上で検索する限りはなかったと私は認識しています。
業界のパイオニアとして、返金保証について、ぜひ最初に理解してほしいことがあります。それは本来、返金保証はあってはならないということです。依頼者の方は、申請して平均で6ヶ月待ちます。審査に不合格になれば時間を無駄にするだけで、何の意味もありません。返金しますからゴメンナサイで済む話ではないのです。
ではなぜファーイースト国際特許事務所が完全返金を掲げたかといえば、申請した商標は必ず審査に合格させる自信があるからです。自信の裏づけとして完全返金保証をお約束しています。これが本来の返金保証ですから、返金保証があるからといって安心しないで下さい。チェックポイントは、次の2点です。
1.本当に必ず返金するのか?
返金保証を掲げていても、何らかの条件をつけている場合があります。条件をつけるとは、不合格の可能性を認めることです。不合格の可能性があるのに、申請するのは弁理士としてどうでしょうか。
弁理士に求められるのは、登録できる商標を見分ける能力です。不許可の可能性が高いなら「これは止めるべきです」と依頼者に毅然とアドバイスするのが、本来のあり方だと思います。
2.返金対象の範囲
返金の範囲は、事務所の費用だけなのか、それとも特許庁に払った費用まで負担するのか、さらに調査費をとっているなら、調査費も返金するのか。どこまでが返金対象なのかを確認するようにしてください。
費用のまとめ
以上、商標登録にかかる費用を漏れなく説明しました。最後までお読みいただき、ありがとうございます。これまでの内容を整理すると、次のようになります。
1.調 査: 有償の場合、商標数と区分数に注意する。
2.出 願: 区分数は複数を前提に、見積もっておく。
3.審査対応: 費用比較だけでなく、審査不合格率も考慮する。
4.登 録: ゼロ円の意味は、6ヵ月後の費用の前払い。
5.返金保証: 条件の有無と、返金範囲に注意する。
ファーイースト国際特許事務所の費用(消費税別)
調査:無料。
(次々と数万単位で追加課金されることがありません)
出願:手数料は3万円です。
(1区分。2区分目は2万円、3区分以降は1万円です)
審査対応:最も複雑になったケースでも上限は62,000円です。
軽微なものは費用ゼロで対応します。
登録:手数料は33,000円です。
(1区分。2区分目は2万円、3区分以降は1万円です)
返金保証:審査に不合格の場合、無条件に返金します。
返金範囲は事務所手数料だけでなく、特許庁に納めた費用も当事務所負担にて返金します。